巽と橙が、親しくなってから凡そ2ヶ月。
何故か巽と橙と一緒にいるところを見掛ける女性が、クスクスと笑う。
橙、
「どうして…、笑うんだろ…???」
「ん~~。気にする事、ないよ。うん。」
巽。
「巽~~。どっか…私…変…???」
そんな橙に巽、
「ん~~や。全く、変はなし。だ~か~ら~。気にすんなって…。」
巽にそうは言われても、巽と一緒に、歩いていても、
買い物をしていても、何かしら…橙を見てクスクスと笑う女性がいる。
橙が自分自身、
「なんで…???」
その理由が分からず、それから3ヶ月。
その頃から、どうしても、巽が何処に住んでいるのか気になり始めた橙が、
とうとう、
「巽のアパート、行きたい。」
その瞬間、巽、
「はい…???」
そして、いつもながらの橙のクリッとした目で、もの凄い訴えのある、
そして、やたらと甘えん坊的な表情に巽。頭を掻きながら、
「俺…の…。アパート…???」
橙、
「うん。」
「かな…り…。散らかってる…けど…。」
「だ~いじょうぶ、だ~いじょうぶ。私…料理は駄目だけど~~。お掃除なら、にっしっしっ。」
そんな無邪気な顔での橙。
巽、
「…ん…。じゃあ…。」
橙、
「やった~~。」
そして、巽の部屋。
「…って、これ…???おぃ、巽~~。どこが散らかってるんだよ~~。すっごい、綺麗にしてる~~。」
そんな橙に、
「…いや…。まっ、一応…。これでも…、レストランで、働いている…からさ…。」
そんな巽に橙、
「ふんふんふん。確かに。」
「ゆず~~。何か…飲む~~???…って、ウーロン茶しか…ないけど…。」
橙、
「うん。飲む飲む。」
そしてテレビを点けて。
「WOWOWある~~。」
そして番組欄を見て、
「あっ、リチャード・ギア。ジュリア・ロバーツ。」
グラスにウーロン茶、巽、
「ほぃ。何…???」
テレビを観ながら…。
「うん。プリティ・ウーマン、やってる。…私…まだ、観た事…ないんだ。」
橙。
「巽は…???」
「ふん。前に、テレビのロードショーでは、観た。」
そして、何かしら映画に夢中になる橙。
その内、体育座りになり、黙ったまんまで…。何かしら真剣な目で見る橙。
そして、映画の後半。
「巽~~。」
いきなり橙。
巽、
「ん~~。」
「わたし~~。地味だよね~~。」
巽、
「え~~~???」
「…で、ちょっと…愚図…。」
「はい…???」
「しかも…。殆ど…目立たない…。」
巽、
「なになになになに。」
「だから…。私、見て、女の人たち、笑うんだ。」
「えっ…???えぇぇぇぇぇ…。」
「巽、私、分かった。これから、頑張る。」
巽、変顔をして、首を傾げて、
「何を…???」
その頃からである。少しずつではあるが、自分磨きが始まった橙。
外で食事をしながら周りの女性たちをチェック。
しかも、遠く離れていても、確実に目に留まるのがファッション。
巽にも手伝ってもらっての、ショッピング。
橙、家を出る時、玄関で、
「あら橙~。出掛けんの…???」
橙の母親、木葉紅葉(このはもみじ)。
橙、
「うん。夕方には戻る~~。」
「そう…。」
そしてリビングに紅葉。ソファで新聞を見ている父親の龍興(たつおき)に、
「あの子…、最近…。」
龍興、
「ん~~。どうした…???」
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
