「さすが、ゆずちゃん。覚え…早いわ。」
翠、両手を叩いて。
そこに呉羽、
「ん~~。どんな感じ~~???」
翠、
「ゆずちゃん、いい感じ~~。こりゃもう…、ある程度、戦略なるね~~。」
呉羽、
「おほほほほほ~~。さっすが~~みど。」
橙、
「はい、チーフ、教え方、凄い上手ですも~~ん。」
「かかかか。ねっ、だから言ったでしょ、心配ないって。」
翠、
「はっ???」
「ん~~。まっ。私の見込んだ人間に任せりゃ、間違いはないってね~~。みど。」
ノースリーブの黒のトップス。そしてバックでリボン結びのライトベージュのサロペットの呉羽。
ヘアは、くしゅくしゅ団子でニッコリと。
「なんたって、みどはコバちゃんのお気に入りだから…。」
後ろに振り返って万美。
「あ~~ら、万(かず)~~。良く言うわね~~。あなたたち、ひとりでもいなかったら、今の私…ないんですからね~~。」
そういう呉羽にペロリと舌を出す万美、
「はいはい。そうでした~~。」
その時、ドアを開けて、
「毎度どうも~~。ルッポラで~~す。」
デリバリーの男性。
「おっと、来た。はいはいはい。」
尋音。
「あれ…???ルッポラの…新しい人…???」
翠。
呉羽、
「うん。あれ…???みど、知らなかったっけ…。人…変わったの…???」
翠、
「ふん。全く…。今、知った…。へぇ~~。」
デリバリーの男性に群がるスタッフたち。
「あっ。そっか。みど、弁当…だもんね~~。」
呉羽。
翠、
「ふん。」
そうなのだ。ただ、弁当ではあるのだが…。その弁当を作っているのは。
当の本人ではない。
逢坂翠、実は…仕事は出来る、しかも、ファッションに関しては、その才能は長けている。
しかも、人間関係もすこぶる良好。…なのだが…。殊、料理となると…、大の苦手。
…けれども、そんな逢坂翠の傍にいる人間が、すこぶる料理上手。
そのためかどうかは…分からないが、何故か、逢坂翠には黙って料理を作ってくれる。
それが雅樂であり、薫朗でもある。
その甲斐あって、毎昼の弁当は…、雅樂が作ったり、薫朗が作ったりと…。
逢坂翠、お昼の弁当には、事欠かない。
「へぇ~~。」
翠、そんなデリバリーの男性の傍を通り過ぎながら、
「こんにちは~~。」
そんなひとりの女性に、男性も、
「あっ。どうもで~~す。よろしく~~。」
「巽く~~ん。私の~~。」
女性スタッフ。
ドアを開けて翠、
「ふ~~ん。たつみって…名前なんだ…。万(かず)~~。尋(ひろ)~~。先、行ってる~~。ゆずちゃん~~。待ってるね~~。」
そして、頭の中で、
「ふん。前の人よりは…、全く以って、いい感じ。かも…。ふふ。」
「ゆずちゃ~~ん、待ってるね~~。」
の声が耳に届いて巽、わずかながら後ろを振り向く。
そしてまた前に戻して、近くの橙の顔を見てニッコリ。口パクで、
「おつかれ。」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
《PR》
庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。