「ただいま~~。ふぅ~~。涼しい~~。」
そして、居間の方に…。
と、その時、バスルームのドアが開いて、その時、ふたり同時に、
「わお。お~~っと~~。」
翠、
「おぅ、おかえり。」
薫朗、
「ただいま。…って、おま…、その恰好…???」
胸元で止めたバスタオルを手で押さえて翠、
「見る…???」
薫朗、
「ば~~か。それより、ビール、ビール。喉カラッカラ。」
冷蔵庫から缶ビールを出して、
「お~~。キンキンキン。とにかく、一杯。」
そして、
「か~~。効く~~。さて。」
フライパンを出して、
「みど、食べるか~~???」
「うん。少しだけ~~。」
「おぅ。」
「下で、万美たちと焼き鳥食べてたから…。」
「おぅおぅおぅ。」
「ゆずちゃん…、連れて来たのよ。」
その声に薫朗、
「……。」
そして、
「ふ~~ん。」
「なになに、ユッキと中学…同級生って…???」
「うん。1年の時にな。」
「ねねね、どんな子だったの…ゆずちゃん…???」
そんな翠に薫朗、
「どんな…子って…???いや…???どんな…子…だったかな…???とにっかく…、目立たなかった…。」
その薫朗の声に翠、
「へぇ~~。」
バスタオルを解いて、Tシャツを着ながら。
フライパンの中で野菜と肉、そして調味料で味付けしながら、薫朗、
「でも…、とにかく、頭は良かったような…。」
「あったまいいでしょ、なんたって、東大。」
翠。
「うんうん。俺も昼に万美から聞いて、びっくり。あいつが…東大って…。ひぇ~~~。」
「中学の時の面影って…???」
「全く…なし。名前聞いて、初めて気付いたくらいだから…。」
その声を聞いて翠、
「ぷっ!!!かかか。同じ事、言ってる。」
薫朗、
「はぁ…???」
後ろを振り向いて。
「ゆずちゃんも言ってた。びっくりだよ、もう。名前聞いて初めて分かった~~って…。」
フライパンから皿に盛りつけて薫朗、
「だよな~~。思えば…、10年…だもんな~~。変ったよ~~。」
「ねっ、10年前のユッキの写真…。ここにゃあ、ないもんね~~。」
「残念でした~~。和歌山の実家にありますから~~。ほぃ。」
テーブルの上に皿に盛りつけられた料理。
翠、
「いっただっきま~~す。」
そして一口食べて、
「うんうんうん。OK。かかか、旨い、旨い、さすがユッキ。」
そんな翠の顔ににっこりと薫朗。
そして2時間後、ドアががちゃり。
テレビを観ながら翠、
「絃~~。お疲れ~~。」
「はいはいはい。みどさん。これ。」
小皿のメニューに翠、
「ふん…???どしたの…???」
「新しいメニュー。」
「へぇ~~。」
箸で摘んで一口、
「お~~。旨い、旨い、いけるじゃ~~ん。」
「でしょ、でしょ。」
そして自分を指差して絃。
「も…しか…して…、絃ちゃん…作った…の…???」
にっこりとして絃、
「うん。」
「すご~~~。」
バスルームで薫朗、脳裏にちらちらと、ロンドと、そして、千慧の顔と、橙の顔。
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