夕美子、少し考えて…、
「私の知り合いにも、東京住永証券に勤務している人…いるんです。実は…。…だから…気になってしまって…。」
安祐美、
「おや…。」
和弘、夕美子の顔を見て、そして夕美子も和弘の顔を見て、
「亡くなられた方…、東京住永証券のグローバル・マーケッツ本部長の嵯峨肇さんと言う方なんですって…。」
その話を聞いた瞬間、安祐美、少し驚いたような顔をして…。
そんな安祐美の表情に夕美子と和弘、
「…???」
安祐美、顔を曇らせながら…、
「御気の毒に~~。」
そして数回頷いて…。
「悪い事は…、出来ませんね~~。」
その安祐美の声に、また夕美子と和弘、
「…???」
首を傾げて。
和弘、
「おさ…ない…さん…???」
和弘から自分の名前を呼ばれて安祐美、
「えぇ、えぇ。存じてます。嵯峨肇さん。」
和弘、夕美子、
「えっ…???」
「そう~ですか…。嵯峨さんが…。」
夕美子、和弘、
「おさ…ない…さん…???」
安祐美、
「知り合いからは…ただ、亡くなった人は病気や事故ではないらしいとしか…聞いてないんですが…。」
「こんなこと…言ったら…。失礼かも…知れませんが…。長内さんの言う通り…、事故でも、病気でもなく…。」
「…そう…ですか~~。…じゃ…、誰かに…殺され…たん…ですね…。」
夕美子、静かに、
「はい…。」
その夕美子の返事に、一気に体を崩す安祐美。
そして、
「何て事を…。」
いきなり顔に両手を当てて…。
夕美子、
「長内さん。」
和弘、安祐美の崩れた体まで膝を落として、
「大丈夫ですか…???」
「じゃあ~新條さん、僕、長内さん…自宅まで送って帰ります。」
和弘、コロンのリードを引きながら…。
夕美子、
「お願い。もう…出社する時間だから、私も急いで帰らないと…。」
「えぇ…。じゃ…、矢萩さんには…。」
「うん。これから連絡する。」
「お願いします。」
たどたどしく、歩くのが精いっぱいの安祐美。
夕美子と和弘、お互いに別の方向に歩きながら…、
「まさか…こんなところで…。」
ウエストのランニングポーチからスマホを取り出して夕美子。
「健之~~。スマホ、鳴ってるよ~~。」
朝食を作りながら瑠唯子。
「お~~~っとっとっとっ。」
トイレから出てきて、そして名前を見て、
「ん~~???…おはようございます。矢萩です。」
「おはようございます。朝早くから…ごめんなさい。新條です。」
「いえいえ。とんでもない。…で、どうしました…???」
電話の相手は、夕美子である。
「実は…。」

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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。