「あのね~。銀行員だからって…なんでもかんでも知ってる訳…、ないっしょ。」
傍で、ベビークーファンの中で両手をふりふりしている絢に、
「ねぇ~絢~。」
麻美。
そしてまた浩一のスマホに着電。
暗がりの中で、ベッドに腰掛けて、スタンドの灯りを見つめながら…、
スマホを左耳に…。
浩一、
「…ん…???悠さんか…???えっ…???」
麻衣子、
「誰…電話…???」
麻美、
「また~~さっきの…。」
浩一、
「うん。」
麻衣子、
「モッちゃん…。」
電話に出て。とでも言うよな麻衣子の目。
その目を見て浩一、応答ボタンを押して、
「も…し…、もし…。木本…ですけど…。」
応答がない。
「もしもし…。どなた…ですか…???」
3秒ほどして、通話が切れる。
「まただ…、また…切れた…。」
電話を切って、だらりと首を垂れ、そして両手で持つスマホに掛かる髪。
「うっ、うっ。」
そして…掠れた声で、
「浩(こう)……。」
「なんだか…、気味悪いよね~。」
オカズを食べながらの麻美。
浩一、
「うん。…一体…誰だよ、この電話番号。」
「ねね、モッちゃん…どれ…???」
麻衣子、浩一の体に傾いて。
「うん。ほら…。」
「ふ~~ん。」
「いや…。だってさ…。仕事の電話だったら、会社の電話持ってるから、そっちになら…別に…。どんな電話番号でも大いに歓迎なんだけど…。」
そう言って、自分のバッグの中から、
「ほい。これ…僕の名刺。」
「あ~い。戴きました~。」
麻美。
「ん~~。だよね~。この携帯の番号は…モッちゃんのスマホの番号じゃ…ないし…。」
麻衣子。
浩一、
「でしょ。」
「えっ!!!お姉ちゃん、モッちゃんの電話番号…覚えてるの…???凄っ。」
麻衣子、
「へっ!!!いや…。麻美…、覚えてないの…???」
「いやいや…、全然、見ないと分かんない。」
右手を振って。
そして、浩一と麻衣子の両方の顔を見て。
浩一、
「えっ…???いや…。何…、その顔…、麻美ちゃん…???」
「おやおや~~。そうですか~にっしっしっし。…ご馳走さま~~。絢~~。くっくくく。」
「この子は~~。」
麻衣子。
「くっくくく。かかか…。」
浩一。
「モッちゃんも~~。」

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