東亜銀行東京西支店融資課。課長席、
「何―――――――っ!!!今、何てった。ママ!!!」
順子からの電話を受けて中川敏光。
「すぐ行く。病院は何処だ。」
すぐさまメモをして、
「分かった。なんてこったい、高志君。」
敏光もそのまま病院へ。
霊安室の中、麻衣子。
「…そ…んな…、はず…ないでしょ。」
ベッドの上の…白い布を掛けられたままの姿の見えないその光景に、
「高志が…、こんなところに…、いるはず…。」
頭を深々と下げて、シーツ姿の男性。
「中川…高志さんの…。」
ゆっくりとベッドの頭の部分に近づく麻衣子。
「…妻の…。」
ゴクリと口の中の物を飲みこんで…、
「中川…高志の…。妻の…、ま…い…こ…。です。」
唇を震わせながら…。両手を震わせて…。
男性、
「この度は…。…申し訳…ありませんが…、ご確認…、戴けますか…。」
手が動かない麻衣子。自然に首を横に振り、
「ち…がう…。高…志じゃない。別の…。」
布に手が伸びない麻衣子。
男性、
「…失礼…します。」
白い布をゆっくりと捲る。顔が露わになる。
目を閉じた白い顔が麻衣子の目に…。
その途端、目が閉じていきなり身体を崩す麻衣子。
ベッドの端にいたもう一人の男性が素早く動き、
「奥さん、奥さん。」
抱えるように…。
その声に、ようやく、我に帰る麻衣子。目の前の白い顔に、いきなり今度は、
「わ――――――っ。わ――――――っ。」
そのままベッドに被さるように、
「わああ・あ・あ。たか…し―――――――っ!!!あっあっあ。あ――――――っ。」
そして、高志の顔を両手で抱き締めて。
「どうして…。こんな…。」
ボロボロと流れる涙。
男性、
「…ご愁傷様です。お気の毒に…。」
そのまま数分…。そして…、ドアをノックして開ける音。
敏光、
「麻衣子。」
ベッドに覆い被さるようにしている麻衣子を見ながら敏光、
「高志…君。そんな…。」
そして、ベッドの傍にいるふたりの男性に…。
「ご苦労様です。あの…。」
ふたりの男性、敏光に手帳を見せて、
「この度は…、何と言っていいか…、誠に…。」
敏光、
「すみません。何が…あったんですか…???」
そしてまたドアにノック。順子である。そして麻衣子の妹の麻美。
「マコ。」
「お姉ちゃん。」

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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。