「愛…、俺…、お前の事…。」
愛美が消えて行ったアパートを見ながらつぶやく将史。
振り返って、首を右に、左に…交互に傾げて。
そして…、
「ふぅ~。」
部屋のドアを開けて、ドアに背中を付けて、自然に目尻から零れる涙…。
鼻水を啜りながら…、そして眉間に皺を寄せながら、ゆっくりと膝を落とす愛美、
「うっうっうっ…。…ダメだな…、私って…。バカみたいだよ。」
スマホに着電。
ゆっくりとバッグからスマホを取って、
「…うん。私…。」
「何…???泣いてんじゃん。愛美ちゃん。どうした…???その後、三条さんに…???」
翔太からである。
涙が止まらない。ぐしゃぐしゃな顔をして愛美、左の耳にスマホをピッタリと着けて、
「翔太――――――――っ。…あっ、あっ、あっ、あ―――――っ!!!!」
「愛…。おい。おいおいおい。」
20分後、部屋のチャイム。ドアノブを…、けれども開かない。
ドアに顔を付けて、
「愛美ちゃん、愛美ちゃん、俺…。」
翔太。
ドアが僅かに開き、ドアノブが翔太の腹部に。
「だい…じょ…。」
その翔太の言葉を遮るように、ドアを開けて翔太の身体を引っ張り、
すぐにドアを閉めて翔太に抱き付く愛美。
そして翔太の唇に自分の唇を重ねる愛美。
翔太、
「!!!!!」
唇が離れ、翔太をきつく抱き締める愛美。
「翔太…。ごめん。…少しだけ…、一緒にいて。」
そして、自分のベッドまで翔太を連れて行き、
そのままベットの傍に体育座りになる愛美。
翔太の左手を掴んで引っ張り、自分の隣に座らせる愛美。
そして翔太の左肩に自分の頭をもたらせ、
「翔太~。ごめんね。このまんまで、少しだけ、いて。」
「愛…美…ちゃん。」
「マサに…、こんな…姿…、見せらんないよ。」
そう言いながら、また涙ぐみ、涙をボロボロ零す愛美。
「だめだ~~私…。」
掠れた声を出して、鼻水を左手で拭いながら…。全く力が出ない愛美。
右手を伸ばしてようやく手が届いたテーブルの上のティッシュペーパー。
一枚、二枚…。それを愛美の顔に…。
けれども愛美は動かない…。
「愛…美…。……???…寝ちまった…か…。」
そのまま愛美の身体をベッドにもたらせて、背中にブランケットを掛ける翔太。
「お休み…。」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
《PR》
庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。