「くっくっくっ…。だろ…。」
明彦。
「…いや…、だろって…お前…。」
浩二。
「だから~それって…、小学3年の頃だって…。」
「…ん…???…あっ、そっか…。小っちゃい頃か…。」
「…でも…、あいつ…本人としては、あ~やんが、一番呼びやすかったらしくってな…。」
「ふ~ん。」
「でも、周りの男の子からは、随分と笑われてたな~。なんでお前、あ~やんなんて、変な呼び方すんだよって…。」
「……。」
「その度、傍にいた玲子が恭子を慰めてたっけ…。みんなに…からかわれてたからな…あの頃の恭子。」
「で…???」
「自分なりに…考えたんだろうな~。」
「ん…???」
「その頃から…、絶対に俺の前に出なくなって…、いっつも玲子の傍で…、後ろでだったり…。」
「はっ…???」
「俺の名前…呼びづらかったらしい…。」
「ふ~ん…。…で…???」
「そしたらさ…。…まっ、俺とあいつらの家って、結構近かったから、いつも良く遊んでたんだ。」
「ふん。」
「いつだったか、夏休みの時、恭子の麦わら帽が風で飛ばされて、樹の枝に引っ掛かって…、俺が棒で取ってやったんだ。」
「……。」
「その時…、ほら、恭子…お前の帽子…。って、玲子の左手を握っていた恭子の左手を取って帽子渡したら…。」
「ふん。」
「玲子が…、ほら恭子、ばたやんにありがとうって…。うじうじしながら…、ありがと…、ばたやん。…って…。」
「はっは~、それで…。」
「後で聞いたら、恭子、玲子に、ばたやんって…呼んでも良い…???…って、聞いたらしい。」
「で…???」
「恭子が、その呼び方の方が好きなら、良いんじゃない、良い感じだよ、ばたやん。」
「そういう…事か…。」
「家も近くだし、まだ引越して間もなかったから、友達少なくって、寂しかったのもあったりして…。」
「なっ、ばたやん。」
「…って~おい、お前もそう言うか…???」
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庄司紗千 ムラサキコネコ
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。