「あれ…???わた…し…???へっ…???」 開いた目をパチパチと…楓。
「かえで…、かえで…、楓―――――ッ、あっあっあっあっ――――――っ。」
楓に抱き付く陽子と朱実。
「朱…陽…。あっ…、はははは。」
涙を流して弓枝…。
「楓…。」
そんな弓枝を見て…楓…、
「か…あ…さん…。」
「うん。」
声にならない声で…、
「よかった。」
「楓、ちょっとゴメン。」
いきなり楓のベッドから離れて朱実。大輔の病室へ。
「楓、目、覚ました!!!」
大輔の病室にいた全員、
「えっ!!!!」
その次に慎二と智志、そして洋祐、
「ヨシ!!!」
「ヤタ!!!」
「そっか…。うん、楓!!!」
そして優美子に睦美、政美、
「よかった~~~。」
そして、
「大ちゃんは…???」
朱実。
そして全員…、
「ん~~ん。」
「でも…楓ちゃん…、良かった~ね~~うん。」
睦美と政美。
「大、大!!!楓…目ぇ覚ましたぞ、大。」
智志が何度も大輔を呼ぶ。けれども大輔はまだ…。
「しっかし…、すげえ景色だよな、ここって…???」
川の向こうの亜紀を見ながら…。でも、その場に行く方法のない大輔。
後ろには誰もいない。手を振っている亜紀。
「おい、亜紀。待ってろ、すぐ行くから。」
そういう大輔ではあったが…。川の畔まで近づくと川幅は広がり、
遠ざかればまた狭くなる。その繰り返しが、何度も続く。
「何なんだよこの川…???え~い、じれってっ…。」
と、思わず川が狭くなったのを見計らって向こう岸へジャンプ…しようと…、
その時、亜紀のハッキリとした声が…。
「大輔、まだ来ちゃダメ!!!」
その声に…、
「おっとっとっと…。」
既に夕方に差し掛かっていた。
亜紀のその声に、
「だって…、他に誰もいないし…。」
大輔がそう零すと…、亜紀が大輔の後ろを指差して…。
「ん…???」
ベッドの大輔の瞼が…。
「母さん!!!」
政美。
※※※※※※※※※※※※※