そして…陣内。相磯の両肩に手を置き、 「優美子。結婚しよう。…いや…結婚して下さい。」
陣内のその言葉を聞いた瞬間、いきなり小鼻がツーンとなり、
一気に、止めどなく流れる涙。
左手で鼻を押さえ、それでも足りずに今度は両手で押さえ、
そして、次の瞬間、思い切り陣内に抱き付く相磯。
小さな声で…。
「洋祐~~、洋祐、洋祐~!!!愛してる~。」
「良くやった。良くやった、優美子。うん、うん。」
その日の内に陣内も相磯も実家に報告。
突然の報告にどちらの実家でも驚いたが、
既に、事が事だけに、どちらの実家も快諾。
「んもう~、いきなり電話で、何かと思えば…、赤ちゃん出来た、結婚する。なんて…。あの子ったら…。びっくりするにも程があります。」
「いやはや驚き。あれだけ慎重派の姉さんが…、なんと、出来ちゃった結婚。どんな人なんだろ…、姉さんをそんなに夢中にさせた男性って…???」
相磯の母親、麗子、そして妹の富美子である。
「まっ、仕方ないじゃないか、子供まで出来たとなれば…。」
お茶を一口啜った後で、そう言う父親、紀久雄。
「そんな…、呑気な…。お父さん…ったら…。」
「ん~~、私らが心配する程…、柔な女じゃ…ありませんよ…って…。なぁ~アユちゃん。」
紀久雄の右脇に凭れるようにしてテレビを観ている、
孫の3歳になる亜由美の頭を撫でながら…。
「赤ちゃんて…、誰の赤ちゃん、じぃじ…???」
「ん~~???アユちゃんのおばちゃん…、赤ちゃん出来たんだよ。良かったね~~!」
「ふ~~ん。」
「それはそうと…、眞理子…知ってるのかしら…、傍にいて…。」
麗子。
「あいつもいるんだ。大丈夫だろ。」
そして玄関から…、
「ただいま~。」
「あっ、アユ…、パパ…帰ってきたよ。」
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