「紗友莉…、本人の口から出た言葉だから。…間違いない。これは事実だ。しかも、短い期間に…2人。」 「……。」
「俺も…まさか…とは、思ったけど…。紗友莉…本人も…奈々子と会って確信したんだそうだ。俺と奈々子が一緒だった事も…知っていた。」
「えっ…???」
「いつだったか、奈々子と通りを一緒に歩いていたところを見掛けたらしい。…そして、あの時のレストラン。そして、昨日の書店での事。」
「そう…だったんだ。」
「だから…逆に、自分が…情けないって…、どうすることも…出来ないって…。」
「……。」
「俺の事を…怒れないって…。」
「紗友莉…さん…。」
「あいつ…紗友莉…、紗友莉なりに…かなり…泣いたんじゃ…ないのかな…。」
「……。」
「昨日の昼過ぎに、俺が会議中の時にも…泣いてたらしい。そして…夜も…。」
「わたしも…。…でも、それより私は…、恐かった。」
「ん…???恐かった…???」
「うん…。紗友莉さんの事…私…何~にも知らなかったから…。」
「…ん…。確かに…。」
「そう…なんだ…。健介に…バイバイを…。はぁ~……。」
「…ん…???どうした…???」
今まで零れていた涙も…おさまり、涙目のままであったが、
鼻先にハンカチを押さえて、少しだけ元の調子に戻った奈々子。
「わたしだったら…、そんな告白…、好きな人の前じゃ…できないかも…。」
「…奈・々・子…。」
「だって…紗友莉さん…これから…。」
その時、
「…ん…???この音…???」
と、健介。
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