「こりゃやられたね~社長~~ハッハッハ。」 と、大笑いして首の後ろを右手で叩く辺見。
そんな奈緒美を見ながら直樹も笑顔満面でグラスを口に運ぶ。
手帳をバッグに仕舞いながら、
「だって…、サインねだる人…来ないんだもの…、ねぇ。こんな国際的スターがいるのに…。」
そんな奈緒美に、
「参ったね、こりゃ…。」
と、言う感じの河合と健介。
「はいはい。…それじゃ…素晴らしい映画…。いや…違った、素敵なファッションのために、チア~~!」
と、奈緒美が先頭に立っての乾杯、それに従い、それぞれも、
「チア~~!」
和やかな時間が過ぎて行った。
メンバーと別れて馴染みの店でいつもの酒を飲む、
そんな上着の内ポケットのスマホに着電。手に取り、
「…ん…、やっぱりな…。…で、どうした…???」
河合の声が耳に届く。
「…結婚…、して…たんだ…。」
少し問い詰めるような声で…紗友莉。
「…ん…???あぁ…、一応な…。」
「そっか…。」
そのまま、電話は切れ、目の前の棚に並ぶボトルを見ながら、
グラスに触り、ゆっくりと持ちながら、また口に運ぶ。
暗い部屋の中でベッドのライトの灯りに、ベッドの脇に背中を付けて、
両膝を抱えながら、頬を薄らと濡らしながら…。
「バカだよ。」
そう言いながら両膝に顔を付ける紗友莉。
「ねね、奈津子、ちょっと、これ見てみなよ。」
そう言って、お昼休みにテーブルに置いてあった、
ファッション雑誌のページを捲りながら、
ふと目に着いた写真と文字を見て…康子。
「ん~???」
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