奈々子の傍に2人の女性。見た目では20歳前半…。 落ち着かない姿勢で奈々子の前でメモ帳を持っている。
そして…、
「すみません、サインお願いします。」
赤い顔をしながら、何かしら…物凄く緊張している面持ちで…。
「片倉さんの洋服大好きです。お願いします。サインください。」
そう言われて…奈々子…。
「えっ…???あっ…、はぁ…。」
今の声に反応した周りの客たちも…、なにやらザワザワしながら…。
その中で遠くにいた辺見も…、
「えっ…、何だ今の…、あの…立っている女の子たち…???」
健介も紗友莉も同様に、
「何か…あったの…???」
その時…いきなり辺見の傍で美里が…、
「あ―――ッ片倉さ―――ん。」
その美里の声で、辺見も健介も、
「えっ…うっそ…!!!」
その場の成り行き上…、奈々子は目の前の女性に笑顔で、
それでも驚いた身体を鎮めながら、メモを受け取りサインをする。
「ありがとう。」
と、言葉を掛けて。
そうしている内に、遠くにいる女性たちも、
ひとり、ふたりと席を離れて奈々子の席に近づいてくる。そのひとりひとりに、
もう…どうしようもないと、メガネを外し、ひとりひとりに「ありがとう。」と、
言いながらサインをする。
傍で見ていた亜矢子が…、何故かしら目にハンカチを押さえているのに、
奈々子は、自然に嬉しかった。
亜矢子…、
「良かった。」
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