ロサリンが奈々子に差し出した名刺、 その時、かなりお洒落な名刺だと言う事だけで、
会社名を奈々子はサラリと見ただけで余り意識はしなかった。
それもそのはずである、
ロサリンはビジネスではビジネス用の名刺を使用しているが、
ビジネス以外の相手にはその名刺とは異なるロサリン、
オリジナルの名刺を使用している。
「神崎さん、小川さん、そして…片倉さん。これから是非よろしくお願いします。」
名取がそう言って、ロサリンに合図して、
「…そうね…、じゃ…始めましょうか…。」
ロサリンの音頭で宴席が始まる。
こういう宴席は未だ経験がなく、
何故かしら窮屈そうに感じられる奈々子を隣で感じながら奈緒美が、
「直樹~そろそろ良いかな~!」
と、言った途端に、直樹が、
「OK~奈々ちゃん。」
と、言いながら自分の席を外して奈々子に、
「奈々ちゃん、こっち。チェンジね。」
その様子を見て名取が、
「こりゃ参った、さすがプロゼだ。片倉さん、申し訳なかったね、肩っ苦しい事ばっかりで…。いや…申し訳ない。」
と、御膳の前で両手を着いて奈々子に詫びを入れた。
「若もんは若いもんで…、それに限る。ハッハッハ。」
名取を見ながらロサリンも奈緒美も始終笑顔で会話が続いた。
奈々子も小川から席を替わってもらって、目の前に若い女性がいるだけで、
幾分ぎこちなかった身体が解れたようだった。
聞こえないように…、
「ふぅ…。」
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