「俺…でも、良いですよ。」 「えっ…???あっ…ハハハ…、そっか…、言い直してたか…。いや…何だか…照れ臭くってさ…。つい…。」
「ありがとう…松下さん。」
何だか、今まで固まっていた、そして少し胸につっかえていたものが、
ホロリと解けたみたいな気がして、
気持ちが楽になった気分を奈々子は感じていた。
「あっ、ごめんなさい。私…すっかり忘れてた。松下さん…、何にする???」
「あっ…、そっか…、俺もすっかり忘れてた。何にしようか…、片倉…さん???」
その時、少し意地悪な目をして、奈々子が健介を…上目使いに見て、
すぐにニッコリと微笑む。
その表情を見た健介が…、
「えっ…何…???どうしたの…???俺の顔に…何か…付いてる…???」
と、不思議なものを見るように…、メニューを手に取り、
それを奈々子に渡そうとしながら…。
「松下…さん???」
「ハイ。」
「お願いがあるんですけど…良いですか???」
「えっ…お願い…???…って、何…???」
「私も…そうなんだけど…。」
そんな風に言いながら、少しだけ、改まりながら…、
テーブルの上に、両手を合わせて、小さな姿勢をしながら…。
「私の…下の名前…知ってますよね???」
「えっ…、ええ…。片倉…奈々子…さん。…えっ…???まさか…間違って…うそ…!!!」
「ううん…。間違ってない。奈々子です。それで良いんです。」
「あ~~良かった…。びっくりしたよ…ふ~~心臓に悪い。」
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