視線を亜矢子から逸らして、携帯を耳に…。 「もしもし…片…倉…で…。」
「もしもし…片倉さん。僕…松下…、昨日は…。」
「…あ…、松…下…さん…。昨日はどうも…。あの…ちょっと今…。あの…ごめんなさい。また…。」
「あ…、あの…えっ、あれ…、切れちゃったよ。どうかしたのかな…彼女…???」
携帯を自分のバッグの中に仕舞う奈々子…。
「…って、あれ…???どうしたのよ奈々子~彼からじゃなかったの…、ねね。」
「…ん…???ん…、まあ…ハハ…。」
照れ笑いをしながらコップの水を喉に流し込む奈々子。
車は一般道から高速に入っていた。
既に西の空は黄昏が濃く辺りを茜色に染めていた。
「ごめんね、いきなり車で迎えになんてきたりして…。」
運転席で、ハンドルを握りながら、紗友莉に話し掛けるジミー。
「ハハ…、実際…、少し…驚いちゃった。まさか…携帯で話していて、いきなりそっちに向かうよ。なんて…。」
「素敵な女性から電話…。おもてなしはしなきゃ…。男性としては…。」
少し、シートから身体の位置をずらして紗友莉…、
「じゃ…、私からの電話…迷惑じゃなかったんだ。」
「とんでもない。光栄ですよ~!」
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