駅に着いて数分後…、紗友莉の携帯が鳴る。 「鮎川さん、僕です、ジミーです。」
「はい、鮎川です。私…今…駅の前にいるんですけど…。」
「うん、分かってるよ、君の姿、見えるから…。」
「えっ…私…、見えるって…どこに…ジミーさん???」
「鮎川さん、もう少し、体右に向いてくれるかな…。右に向いて、真っ直ぐのところ…、そうそう、グレーの車…見えるでしょ。」
「あ―――ッあった~!」
何とジミーが車で駅に来てくれているのだった。
「うそでしょ、わざわざ、ここまで来てくれたの…???まじで…。」
そう言いながら、もう既に紗友莉の足はジミーの車の方へ向かっているのだった。
「まぁ…、女性から電話が掛かれば…何とか、そのお礼にはお応えしない訳には…。」
ゆっくりと運転席のドアに紗友莉が近づき、ジミーが優しく微笑む。
そして車のフロントを右手で撫でながら右側の助手席に向かう。
「あっ、いたいた、松下君~紗友、今日直帰って言ってたよ~!」
事務の女性、里中真理子がアトリエにいる健介に伝える。
「は~い了解しました~!ありがとう。」
そう言った後で、
「結構、念入りな打ち合わせになりそうだったから、そんなもんだろう…。」
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