「へへ…。」 と、照れながらも、低姿勢で奈津子の後ろからそろそろと、
両手を合わせながらも控室を出て行く奈々子。
「ま~ったくこの子は~!」
と、言いながら苦笑いの奈津子。
会社帰りの人で、少しずつ賑わい始めた店内。
そしてレジの係でもあり、その他にも、あれこれと細かな仕事を熟している奈々子。
そんな奈々子がふと店内を見回すと…、いつ来たのだろうか、
それすら気付かなかった見覚えのある姿。
松下健介が仕事を終え、奈々子が勤務する書店で、
雑誌を手にページに集中しているのだった。
「えっ…、彼…本当に来ている。」
そう思った瞬間に奈々子はドキッ。
結構平常心ではいられなくなってしまった。
やがて健介が気に入った雑誌を手にレジに向かい、
「これね。」
と、奈々子に向かって雑誌を差し出し、また奈々子が、
「いつも…ありがとうございます。」
と、丁寧に値段を言うと、財布から千円札を取り出し、
その他にも白いメモ書きを一緒に奈々子に差し出す。
頭の中で奈々子が…、
「…これって…???」
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