係の人が、愛子を見て、そして川岸の方を見る。 そして川岸が…、
「あっ、すみません。私の知り合いです。」
「そうですか…。…では、少し席…外しましょう。」
その係の人に、川岸がすまなそうに声を掛ける前に、愛子が、
「いえ…、そのまま、続けて下さいませんか。」
その愛子の言葉に、川岸は一瞬、戸惑いながらも、
すぐに合点して係の人に、
「…私の方も、そうして頂けましたら…。」
係の人も、ふたりのその調子に、少し考えてはいるような感じだったが…。
「そうですか、でしたら…。」
打ち合わせをそのまま続けるふたりを傍に、
頬の涙が乾き切ったままの状態で愛子は、
ぬいぐるみを持った琴美の手を引いて、基子の傍に座り、
その隣に琴美を座らせる。
そして、基子のお腹の方に手を差し伸べて、
そこにぬいぐるみを置く様に琴美に手で伝える。
そしてゆっくりと基子の顔に被せてある白い布を外して、
薄化粧をしている基子の顔を見つめる。
「モコおばちゃん…。」
と、琴美の声。
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