「電子帳簿保存法」でFAXはどう扱われる?【第1回】知らないと危険な基本ルール! | 3Dマイホームデザイナーんとこの社長ブログ

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メガソフトでは、1080年代からPC-FAXのさきがけである「STARFAX」を開発、販売してきました。昨今のインターネット普及でFAXは存在感が薄れていますが、そんな状況でもSTARFAXはコンスタントに需要があります。

 

 

 

その理由を、今回は「電子帳簿保存法」の切り口で考えてみます。

■ はじめに
2024年の電子帳簿保存法改正以降、多くの企業で「請求書や見積書の保存方法」が見直されています。しかし、現場で意外と見落とされているのが「FAXの扱い」です。

建築業界や工務店では、いまだにFAXは重要な取引手段の一つですが、その保存方法が法令に適合していないケースが少なくありません。

本記事では、まず基本となる「FAXと電子帳簿保存法の関係」を整理します。

■ 電子帳簿保存法の基本ルール
電子帳簿保存法の核心は非常にシンプルです。
電子で受け取った取引情報は、電子のまま保存すること」。
これはメール添付の請求書だけでなく、以下も含まれます:

・Webダウンロードした請求書
・EDIデータ
・クラウド上の帳票
・PCで受信したFAX

■ FAXは電子?紙?
ここが最も誤解されやすいポイントです。

ケース①複合機で紙受信:紙で出力される→ スキャナ保存扱い

ケース②PCで受信(PC-FAX/STARFAX):データとして受信→ 電子取引扱い

つまり、 同じFAXでも受信方法で扱いが変わるということです。

■ NGになりやすい運用
実務でよくあるNGパターンを見てみましょう。

❌ PC受信 → 印刷して紙保管 →  電子データを破棄しているためNG
❌ PC受信 → フォルダ保存のみ →  検索性・真実性が不足しNG

■ 電帳法の3要件
電子取引データの保存には以下が必要です。
① 見読性:「画面で確認できる」「内容が判読可能」
② 検索性:「取引日」「金額」「取引先」で検索できる
③ 真実性:タイムスタンプまたは訂正削除履歴

■ 建築業界での注意点
建築業界では特に以下の書類がFAXでやり取りされることが多いと思います。
- 見積書
- 発注書
- 納品書
- 協力業者からの連絡

これらはすべて「取引証憑」に該当します。
※取引証憑(しょうひょう)とは、請求書、領収書、契約書など、企業間の取引や金銭のやり取りが事実であることを証明する書類の総称です(Google gemini)。
 
■ 「保存しないとどうなるのか?」(リスクの本質)
ここが最も重要なポイントです。
FAXでやり取りされた書類は、税務上は「取引の証拠」です。
そのため、適切に保存されていない場合、次のようなリスクが発生します。

 ① 経費が認められない可能性
例えば、「外注費(協力業者への支払い)」「材料費」「工事費」・・・これらの根拠となる見積書や納品書が適切に保存されていない場合、「その取引は本当にあったのか?」と判断される可能性があります。

その結果、「経費として認められない」「利益が増えた扱いになる」

結果、追加で税金が発生するという事態につながりかねません。

② 税務調査での信用低下
建築業界は「金額変更が多い」「見積の差し替えが頻繁」「FAX・口頭文化が残る」といった特性があるため、もともと税務調査で注意深く見られやすい業界です。
そこに加えて、「ファイルが見つからない」「保存ルールが曖昧」「データの差し替えが可能」といった状況があると、「管理が不十分な会社」と判断されるリスクが高まります

③ ペナルティ課税の可能性
保存不備が原因で申告内容に問題があると判断された場合、「過少申告加算税」「重加算税」といったペナルティが課される可能性もあります。

④ 最も怖いのは「保存漏れ」
電子帳簿保存法で最も危険なのは、「そもそも保存していないこと」です。
例えば、

・感熱紙で色抜けしてしまい、文字が読めない

・受信した紙を誤って破棄
・PC-FAXで受信したが保存していない
・担当者のPCにだけ残っている
・誤って削除された

この場合、「証憑が存在しない」扱いになる可能性があります。

■ 受信したFAXについてのまとめ
FAXでやり取りされた見積書や発注書は、「ただのやり取り」ではなく、税務上の証拠です。
そして「 保存していない=取引を証明できない」という状態になります。

・FAXも電子帳簿保存法の対象
・PC受信は電子取引扱い
・保存方法を誤ると税務リスクにつながる

なので、特に重要なのは「正しく保存すること」ではなく「確実に残る仕組みを作ること」です。

ここまで読むと、「じゃあPC-FAXは危ないから、紙で受ければいいのでは?」と思われるかもしれません。しかし、実はそうではなく「 紙に戻しても問題は解決しません」。

本質的な問題は「FAXの種類」ではなく「人に依存した運用そのもの」にあります。
そしてこの運用を放置すると、 気づかないうちに利益を削り続ける構造になってしまいます。

■ 次回予告
次回は、「そのFAX運用、年間いくら損していますか?PC-FAXと複合機に共通する“見えないコスト”」をテーマに、
・ なぜFAX運用が利益を圧迫するのか
・現場で実際に起きているムダ
・多くの会社が気づいていない“損の構造”

を具体的に解説しようと思いますので、ご期待ください!