ミシュラン三ツ星の世界へ:高尾山の「観光」解説
≪ミシュランの星の定義:観光地≫
一ツ星 興味深い場所
二ツ星 寄り道して訪れる価値がある
三ツ星 そのために旅行する価値がある
この定義において、ミシュランガイドは他のあらゆる評価基準とは違っている。
つまりミシュラン社が世界中を調査して調べ上げて、
その最高基準である三ツ星とは、
そのために旅行する価値があると言い切って来る評価なのである。
一著者、一個人のいい加減な評価とは全くレベルが違って来る。
これは世界遺産の認定にかなり近いと言っては言い過ぎになるが、
それ的な評価基準だと思っていいかと。
もちろんアンチは多いし、
間違いもあるだろう。
だが、根本的なところにおける責任の所在レベルが全然違うと言っていい。
何故なら「そのために旅行する価値がある」と言う定義は、
よくよく考えると非常に恐ろしいからだ。
つまり読者に対して、
例えばフランスに暮らす人が日本のミシュラン三ツ星に、
高額の旅費を使って行ってもその価値はあるのだ、と言い切って来る恐さだ。
迂闊にいい加減な事を書いてしまったら、
苦情では済まない事態に充分なりうるのである。
さらに全世界を調べ上げようとしている気合いは、
まさに民間版の世界遺産「的」と言っていいかと。
そして日本においては掲題の「高尾山」が、
2009年に三ツ星に認定されて以来、
まさに世界中から観光客が押し寄せて来る事態になっている。
しかしほぼ100%の、特に東京人は、
「高尾山がミシュラン三ツ星」と言う事実に絶対に納得がいってないはずだ。
何故なら古い東京人にとって高尾山とは最もショボい観光地に他ならないからだ。
私の小学生時代に、
もしクラスメイトが、
「休日は高尾山に行って来たんだ♪♪」
と言ったら、必ずこう聞かれるだろう。
「何でまた???面白いの???」と。(笑)
しかもそれが登山の場合でも偏見がある。
「高尾山に登山???物凄い初心者なんですね」と。(爆)
確かに昭和時代~平成中期までは、
東京の悲惨な観光「迷」所だったと言っていい。
ちなみに私の母は、私達兄妹が小さかった頃、
亡き父に突然高尾山に連れて行かれ悲惨な思いをしたので、
未だに高尾山には恨みつらみがあるほどだ。
と言うよりトラウマになっている。(笑)
だが、近年高尾山は非常に大きな変貌を遂げている。
それが一体どんなものなのか。
ご紹介して行きたい。
基本を言っておくと、
これは最近話題にやたらとなっている、
鎌倉と深大寺にも共通していて、
古い歴史と新しい名所、そしてグルメが混ざり合い、
相乗効果で威力を発揮している点にある。
さて。
そもそも私は長い長い休止期間を経て、
2022年に登山を再開した者だ。
再開に当たっては1年以上の歳月をかけて色々と最新の情報を取って来た。
そうして登山再開の最初は高尾山になった経緯がある。
その後、想像以上に極めて面白くも楽しい山だと分かり、
この4年で多分7~8回くらいは行っていると思う。
行く度に面白い発見があり全然飽きないでいる。
何がどう面白いのか?と言うと、
前述したようように、
近年、極端に人が集中する観光地の特徴があるから、
と言える。
少し詳しく書くと、
観光地として人気のある場所には、
・風光明媚(自然、建物など)
・歴史や名所旧跡など文化的な価値がある
・パワースポット(宗教的価値がある)
・グルメ
・ちょっとした冒険心をくすぐる(ハイキング&迷路要素)
等々と言った感じの基準が複雑に絡み合って出来ているかと。
上記の1つが傑出していても選ばれるケースもあるだろう。
だが、三ツ星の高尾山は上記の全てを持っているのである。
そもそも山なので風光明媚であり、
特に富士山はとても良く見える。
かつての古戦場や碑などやたらと多い。
そして薬王院はとんでもないパワースポットとして知られている。
グルメも由緒ある蕎麦の名所だし、
近年新しいグルメも激しく攻めて来ている。
もちろん登山があるため、
迷路要素も非常に強い。
そしてこの土曜日。
つい先日私は奥高尾縦走路を歩いているが、
再び高尾山を訪れたのである。
今回はソロではなく、
登山やマラソンが大嫌いだけど、
ジムで身体は鍛えている娘が同行したので、
目的は登山ではなく観光だった。
それも「ミシュラン三ツ星を楽しむ観光」に徹したのである。
ではどのように活動したのか。
それを詳細に語って行きたい。
ここからが本番だ。(笑)
ミシュラン三ツ星としての高尾山を楽しむ場合。
これは旅の鉄則である「朝早くから来る」のは当たり前なのだが、
ミシュラン的には登山ほど早起きする必要は全くない。
何故ならグルメスポットの営業時間開始は8~9時だからだ。
従って私と娘は7時52分「高尾山口駅」着の電車でやって来た。
8:00、真っ先に向かったのは高尾山の新しいグルメスポット、
「すみれ庵」だ。
ここは行きたい!!とかねてから思っていた。
テレビでもやたらと取り上げられている「お稲荷さん」のお店だ。
今回はここで朝食にすると決めていた。
店内での食事も可能なので、
後述する理由(9:00までは動けない)から、
ゆっくりと「お稲荷さん定食」を楽しんだのである。
(写真参照)
これは美味しい。
登山前の朝食として大変いいし、
実際、登山客も弁当になっているタイプを買って行く人が多かった。
そして9:00。
これも最近やたらと来たかった新しい高尾山のグルメスポット、
「高尾さんかく堂」のドーナッツを頂上でのオヤツように買い、
リュックに詰め込んでいよいよ高尾山頂上を目指した。
ここで選択したのは、もちろん三ツ星観光であるから、
「リフト」だ。
往復券をゲットした。
私が絶対にお勧めする高尾山の観光においては、
「リフト」だ。
ケーブルカーではない。
高所恐怖症の人には無理だが、
そうでないなら絶対にリフトをお勧めする。
空気感が全然違うし、初っ端から結構なスリル、
つまり「ちょっとした冒険心」を見事にくすぐって来る。
また、リフトは一見長い行列が出来ているが、
次から次へと来るため意外に待たないで済む。
GWや紅葉の時期だと物凄く混雑するが、
その時は整理券を配布するため30分くらいの待ちで済む。
リフトを降りたら、定番の1号路を進んで行こう。
お土産物屋が出て来るが、
それは帰りにしてともかく進んで行く。
すると蛸杉や浄心門、男坂、女坂他、
名所がオンパレードする。
そうして権現茶屋が目の前に出て来る。
ここは是非寄って団子を食べよう。
炭火の遠火で焼いているため非常に美味しい。
ちなみに高尾山では団子が名物になっていて、
大抵の店では炭火の遠火で焼いているため美味しく、
長い行列が出来ているケースが多い。
並べ。(笑)
権現茶屋を過ぎると直ぐに最初の大イベント「薬王院」が出て来る。
ここでは様々な祈りが嫌と言うほど出来るため、
各自、徹底的に祈り、お守りやお札を買い、
心を鎮めよう。(笑)
また、薬王院では「かりんとう」が名物なので、
ここでしか買えないのもあり、
好きな人は買っておくのをお勧めする。
さあ、祈りが終わった後は、
いよいよ頂上を目指して行く。
だが、正規のルートである1号路では、
薬王院の本社に行くための、
直角に曲がって急階段を上がるのは止めておこう。
直角に曲がらず直進するのだ。
三ツ星高尾山を楽しみたいなら、
一号路をそのまま進んではならない。
何故なら、異様に急な階段がそこから連続するからだ。
1号路は一番簡単に登頂出来る道だと、
かなりの登山マニアでも信じ込んでいるが、
実は全然違う。
まあ、薬王院の中までは正しい。
だがそこからマニアの王道「富士道」を行かなくてはいけない。
富士道は通称らしく、通常の地図には載っていないケースがあったり、
載っていても「裏道」などと別の呼称だったりする道だ。
またかつての正式なメインの登山道だったと言う。
詳しくはレンジャーの人がいたら聞いた方がいい。
そしてサイトによっては、
「ベビーカーでも登頂出来る階段の無い道」と言う記載まであるが、
実際に登ってみた感じでは、
富士道から3号路に接続する区間は未舗装路なので、
かなり整備された自動車通行可能な道だが、
さすがにベビーカーではちょっと厳しい感じはある。
だが、間違いなく高尾山に登頂する最も簡単な登山道だ。
ちなみにどうやって知ったのか、
外国人もかなりいた。
これは別記事に詳細に書くが、
偶然娘がレンジャーのいるテントを見つけ、
そこで教えてもらえた特殊情報だった。
私は、実は娘が1号路の連続階段を嫌がり、
(それは1号路の名物「男坂108段」を遥かに凌ぐ急登)
登頂を断念するだろうと思っていたからだった。
お陰で父娘共に楽勝で登頂出来たのである。
頂上は大混雑していたので、
登頂標識で写真を撮り、
富士山も運良く見えていて、
ビジターセンターや売店を覗いてから、
ここで「さんかく堂」のドーナツを食べたのである。
これは想像以上にボリュームがあり、
「登山のためにあるようなドーナツ」だと言っていいだろう。
(写真参照)
下山はずっと1号路の一択でいい。
帰りには前述した薬王院の大社が下りで出て来るため、
楽にお参りが出来るのである。
そうしてお土産屋まで戻り、
色々買ってリフトで下りるのだが、
やはり名物の「天狗焼き」はゲットしておくか、
その場で食べたいところだ。
またつい最近、天狗焼きのアイスクリームバージョンも出た。
(写真参照)
これはこれからの季節に凄くいいと思う。
お土産をリュックに入れたら、
リフトで下山するのだが。
ここでのポイントは、
リフトの登りでも下りでも、
「写真撮影サービス」がポイントでそれぞれある事だ。
カメラマンに合図を送り撮ってもらう仕組み。
この撮影は有料で気に入ったら買えばいいだけなのだが、
1000円だ。
またデータでもダウンロード出来るため、
素晴らしい思い出となるのもあり、
登りか下りのどちらかで撮影しておくのをお勧めする。
このスマホ時代、案外自分の写真ってあるようで無いと思うから。
さて、下山したら、
ここからが三ツ星の本領を発揮する時となる。
先ずはさらなるお土産だが、
ここは好みで決めればいい。
お勧めは間違いなく高尾山名物「蕎麦」だ。
では数ある名店のどこで???となるのだが。
これはもう決まっている。
「高橋家」だ。
店内には何故か樹齢150年の柿の木が生えていて、
それは天井を突き破って屋根の上まで伸びている。
ちょうど高尾山のケーブルカー・リフト駅と、
広場を挟んで対面にある感じだ。
柿の木が天井を突き破って、と知っていれば一発で分かる。(笑)
凄い人気で行列しているが、ここは並んで大丈夫。
店内は想像以上に広く、また蕎麦なので長居する客が少ないため、
回転率がいいからだ。
とろろが名物なので「とろろ蕎麦」をお勧めするが、
好き嫌いがあるのためお好きなのを選べばいい。
またかなりの老舗だが価格はリーズナブルだ。
ここは奮発してもいい場面だろう。
登山で発汗した後に蕎麦。
素晴らしい組み合わせだ。
ちなみに私と娘は当初、蕎麦の「高橋家」か、
高尾山のこれまた新名物「FUMOTOYA」でのイタリアンか迷っていた。
だが、頂上で食べたドーナッツが結構ボリュームがあり、
蕎麦に落ち着いた。(笑)
非常に満足したミシュラン三ツ星旅「高尾山編」だが、
まだ終わらない。
最後の最後、もう1つ、忘れていないだろうか。
私達日本人の極楽感の筆頭であるアレだ。
そう、温泉。
日本人は温泉に入らないで真の喜びを得る事など不可能なのである。
はい、あります、ミシュラン三ツ星高尾山。
ここは絶対に外して来ないのが三ツ星が三ツ星たる所以なのである。
何と、高尾山口駅に直結した「京王高尾山温泉 極楽湯」が待っている。
ここ、露天風呂もあり凄くいい。
もちろんサウナ好きにはサウナも用意されているし、
疲れた身体をマッサージしてくれる施設や食堂も完備された一大温泉施設だ。
もちろん今回は満喫した。
日本人最大の極楽を。(笑)
ここで解説は終わる・・・と思ったら大間違い。
最後の最後、大切な事がある。
それは誰もが言いたくて言えない電車の問題だ。
登山で疲れた身体。
しかも温泉の後。
誰だって座って帰りたいではないか。
はい、出来ます。
何故なら高尾山口駅は始発駅だから。
このアプローチの良さと帰りの極楽度。
ミシュラン三ツ星とはこう言うものなのだよ、ワトソン君。(笑)
終わり
余談:三ツ星とは何か?
それは笑顔である、とつくづく思う。
高尾山は登山で来るにせよ、観光で来るにせよ、
笑顔の人がやたらと多いのにその最大の特徴がある。
ガチ登山の格好をした人達も笑っている。
様々な国から来た外国人も笑っている。
デートで来たカップルも笑っている。
温泉でも笑っている。
楽しそうにしている人がどれほど多いのか。
これがミシュラン三ツ星であり、
私が何度も来ている最大の理由でもある。
追記:靴について
1号路は全面舗装路なので一応雨が降ってもスニーカーで大丈夫だ。
富士道も険しくないため、これまた雨が降っても一応スニーカーで大丈夫だ。
汚れるしお勧めはしないが、まあ何とかなるだろう。
私は今回はトレイルランニングシューズにした。
これは無敵だ。
娘はNIKEのエアマックス。
取り敢えず全然大丈夫であったが、登山趣味人的にはやはりお勧めは出来ない。
雨を想定したらミドルカットのハイカーシューズが理想かと。
ちなみにもちろん雨具と懐中電灯(出来たらヘッドライト)は快晴の高尾山でも必携品だ。

















