じゃがいもの保存食、「チューニョ」 | 幕内秀夫の食生活日記

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  酢飯でしっかりご飯を食べました。昨日は外出したのですが、「息ができない」ほどではありませんでしたが、かなり暑かったです。今日も同じようです。ただし、今日の東京は雷と雹(ひょう)の可能性があると言うことです。8月になったらどうなることやら?

 

約500年前のインカ帝国の貯蔵庫で「フリーズドライのジャガイモ」が見つかる

 南米・ペルーの太平洋沿いにある約500年前のインカ帝国の遺跡から、「フリーズドライのジャガイモ」が発見されました。フリーズドライのジャガイモはアンデス山脈の先住民が作ったもので、交易によって長距離を運ばれてきたとみられています。

アンデス山脈の先住民は、高地における夜間の寒暖差を利用して「チューニョ」と呼ばれる保存食を作っていました。チューニョを作るには、1日の寒暖差が激しい乾期(アンデス山脈の高地では4~9月)にジャガイモを屋外に放置して、夜間は霜にさらして凍結させ、日中は太陽光で解凍することを繰り返します。

この現代のフリーズドライに似た製法によってジャガイモの水分が蒸発し、軽量で数年以上も日持ちするようになります。カナダのカルガリー大学で人類学・考古学の非常勤教授を務めるリディオ・バルデス氏は、チューニョは定期的に霜が降りる乾燥した高地でしか製造できないため、標高3600m以上の地域で作られていたのだろうと考えています。

凍結と乾燥を繰り返すことで野菜が長期保存可能になることは、15世紀にインカ帝国が台頭する以前から知られていた可能性が高いそうです。バルデス氏は高地で偶然霜にさらされたジャガイモが乾燥し、それでも食べられることに気付いたのがきっかけではないかと推測しています。なお、インカ帝国の人々は同じ製法で「charki(チャルキ)」という干し肉を作っており、これが「jerky(ジャーキー)」の語源になったとのこと。

 

バルデス氏らの考古学チームは2024年、ペルー南部の太平洋沿いにあるタンボ・ビエホ遺跡で発掘調査を行っていました。タンボ・ビエホは約500年前、インカ帝国によって作られた複数の地方行政中心地のひとつだとのこと。

ある日、発掘チームが小さな貯蔵庫の中で土の床に埋もれた土器を発見し、持ち上げてみたところ底の方に2つの塊が転がっていることがわかりました。発掘した人物はこれが何かわかっていなかったものの、塊を見せられたバルデス氏はすぐに「これはチューニョだ!」と気付いたそうです。

チューニョは標高が高い地域でしか製造できないため、バルデス氏はインカ帝国の道路網を利用したリャマのキャラバンによってタンボ・ビエホまで運ばれたのだろうと考えています。「チューニョは軽いので輸送も容易だったのでしょう」とバルデス氏は語りました。

チューニョはもろいため遺跡から発掘されることはめったになく、インカ帝国の遺跡から見つかったチューニョとしては今回が2例目だとのこと。タンボ・ビエホ遺跡が位置するアカリ渓谷は極めて乾燥した環境であるため、チューニョのような有機物の保存には適していたとみられます。なお、過去にバルデス氏が行った発掘調査では自然にミイラ化したモルモットも発掘されています。

以下が今回発見されたチューニョ。1個あたりの直径はわずか1.5~2.5cmと非常に小さいことがわかります。

バルデス氏は、古代の食品保存方法は現代人にも教訓を与えると主張。「過去の人々から学ぶべきことはたくさんあります。食糧安全保障は現代においても主要な課題のひとつであるにもかかわらず、私たちは食糧を無駄にしており、その量は人類史上かつてないほど多いかもしれません」とコメントしました。

▼非常に面白い記事だと思います。「約500年前」のジャガイモが見つかったことがニュースになる。そこに「いも類」の特徴が現れていると思いますね。米や小麦、トウモロコシなどの穀類だったら、途方もない昔のものが見つかっています。なぜ?世界中で穀類を中心とした食生活をしてきた国はあっても、イモ類は少ないのか?まさに、500年前のものが珍しいのは「保存」が難しいからです。アンデスの場合は、高地で極めて特殊な環境だったから、保存食が作られてきたんですね。

 「チューニョ」の存在を知ったのは、約40年前、『人間は何を食べてきたか』(NHK特集)のビデオ、書籍を読んででした。このビデオ、書籍が素晴らしいのは、その民族の命を支えてきた「食」について取材してきたことです。稀に食べる「名物」を紹介してきたものではありません。私どもでは、「小児食生活アドバイザー」という通信教育を行っています。その「課題図書」として本書を指定しています。人に「食」を伝えようとするなら、是非、読んでほしいと思うからです。名著です!!

 最近は少なくなってきましたが、「玄米菜食主義」を勧める人たちがいました。

 「イデオロギーは思考をにぶらせる」という言葉そのものだと思います。欧米模倣の栄養教育に疑問を持つことはいいのですが、「人間は何を食べてきたのか?」を忘れていると思っています。そのようになって欲しくないという思いで、読むことを進めています。

 さて「じゃがいも」から話がそれてしまいました。私は標高4000メートルを越す、ブータンで農家に宿泊させてもらったことがあります。そこで見たジャガイモは、5センチもなかったと思います。そのことを思い出しました。