大切にされなかった命 ~ ベンガルくん ~ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

引き取って部屋に入れたとたんのラグドールくんの緊急事態

そしてベンガルくんのバカ食いによる胃腸障害

 

そんな慌ただしい時を経て

何とか落ちきを取り戻した翌日

私はケージの扉を開けてベンガルくんに手を伸ばし、頭を撫でようとしました

するとベンガルくんはケージの隅に逃げ、そこで非常におびえた様子を見せ

終いにはぎゅっと目をつぶってしまいました

 

少しして私は

ケージの隅で石のように固まったベンガルくんを抱いて出し

膝に乗せて抱き寄せました

 

目を瞑り続けているベンガルくん

膝の上にいるのは猫さんではなく、一塊の岩か石のようです

 

私はベンガルくんの頭をそっと撫でながら言いました

 

「このあたまは ぶたれるために あるんじゃないの こうして いいこ、いいこと なでられるために あるのよ」

 

 

 

 

そう言いながら首をすくめて固まり続けているベンガルくんの頭を優しく撫で続けました

 

1時間以上そうしていて

気づいたら石のようだったベンガルくんの体が魔女の胸にびったりと収まり、こわばりがなくなっておりました

私は窓から空を見ながら頭を撫で、話しかけていて

ベンガルくんの体が柔らかくなっていることに気づき、その顔を覗き込みました

 

ベンガルくんはじっと魔女を見上げていて

その目は恐怖も不安も失せたように見え

ただ大きくつぶらな瞳が私を見つめておりました

 

ずっと正座をしていたので

私はベンガルくんを膝から降ろし、ケージに戻そうとしましたが

ベンガルくんは私に体を寄せて離れようとはしません

 

そんなベンガルくんの頭をさらに撫で続けていると

開き始めた心の扉が一気に開け放たれたか

ベンガルくんは自分の体を魔女の体にくっつけたまま、私の周りをぐるぐると廻りはじめ

前まで来ると頭を突き出し、なでて! もっと なでて!! と意思表現を致します

 

以来この子は魔女の顔を見る度に

 

 

なでて! なでて!! と頭を突き出します

 

 

そうして撫でてもらうともう大満足なのです

 

 

 

 

この子は逃げる子

そしていったん逃げたら捕まえるのはとても大変だから

迎えに行った時も、キャリーに移すのは至難だ、という話を伝えられました

 

ベンガルくんは自分が置かれたあまりに過酷な環境から懸命に逃げ出そうとしていたのです

その度に追い掛け回され、追い詰められ、摑まれ、ぶたれ、箱に投げ込まれていたのかも知れません

 

6年と言う長い月日を、奇形で産まれてきたため

人に虐げられ、お金目当てに利用され

挙句、もういらないからと殺処分業者に送られることとなってしまった子

 

ベンガルくんは生まれてこの方誰にも愛されず

6年間名前さえも付けてもらえず

 

 

誰だって逃げ出したくなる

 

逃げることで劣悪な環境から脱し

漠然とした希望を持とうとしていたこと

 

これはこの子は強く

心を壊し切ってはいなかったことを表しています

 

 

ベンガルくんは私たちの良く知る猫のようになりました

走り、飛び、甘え

自由に歩き回っては可愛いいたずらさえも致します

 

魔女の後をどこまでもついて歩き

足にしがみつき

私を歩行困難にし

立ち上がって魔女の手に頭を押し付け、撫でることを強要するようになりました

 

試しに部屋のドアを開けて、じゆうにしていいよ、と言うと

 

ぼくは ここがいい ここが すき

どこにも でていかない

 

と、言って

これまで逃げ出そうとしていた猫さんが・・ まん丸お目目で私を見上げます

 

それにしても

心の扉が開き過ぎたのか

稀代の甘えん坊に大変身

 

魔女はいまだかつてこれほど甘える猫に出会ったことがありません

 

6年分の甘えが・・ 噴出しているのかな

 

 

ベンガルくんの里親さんが決まりました

それは一番に連絡をくださった 読者様のとも佳さんです

猫に対して深い愛情を持たれる大変誠意のある方で

既に引き取りの日程も今月22日に決まりました

 

耳が奇形で産まれたベンガルくんの経緯が食い違っていたことなど

とも佳さんはまったく意に介されず

引き取りの日をそれは楽しみにしてくださっています

 

とも佳さんは既にベンガルくんの部屋を用意し

名前も決めてくださっていて

 

その名は・・ 幸福の《ふくちゃん》

 

ベンガルくんは生まれて初めて《ふくちゃん》と言う名を貰って

悲しみと辛いことしかなかった6年間に別れを告げます

 

《ふくちゃん》の幸せを、私はこれからもずっと願います

 

 

お渡しが決まってから、魔女はベンガルくんを《ふくちゃん》と呼んでいます