盛岡食いしん爺日記
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お盆で花巻市に帰省の時、南部煎餅を買った。
花巻も旧南部藩で盛岡などと同じ文化圏だ。
昔は分からないが、現代では微妙に違う気がする。
その話は、またいつか。
南部煎餅は、盛岡や岩手の県北や旧南部藩だった三戸町などでは、
昔よりは少なくなったものの、今もあちこちで製造されている。
ところが花巻で南部煎餅を製造している店は確か一軒。
そう言えば、高校時代に煎餅店を見かけた記憶がない。
盛岡の仙北町の炉何煎(ろっかせん)さんに寄った。
昭和7年の創業。
この少し不思議な店の名は「『炉』で『焼』く物は『何』か、煎餅だ」。
そんな意味が込められているらしい。
For the Good Times · Perry Como
炉何煎には、もう何度も訪れている。
数年前にTBSの「つぶれない店」で全国放送された。
成城石井の関東などの店に並んでいて、
放映後は大変忙しかった様だ。
何度かブログの記事に書いていたが、
2023年に詳しく掲載した。
その時に人気の記事となり、店のご夫婦が盛岡食いしん爺日記を知った。
店先に「盛岡食いしん爺さんありがとう」の貼り紙。
今も店内の壁に貼られている。
気恥ずかしい気もするが、ありがたいことだ。
とても感謝している。
2年前に南部煎餅を買いに行き、ご主人と話していた時、
ブログの話になり、
迷ったが壁の張り紙の盛岡食いしん爺だと名乗った。
それから久し振りで訪れた。
店の中は変わらず和風の落ち着いた雰囲気。
炉何煎のご夫婦は研究熱心で煎餅の製法の特許も複数持っている。
小麦胚芽を使ったり、身体に優しく香ばしい煎餅が並ぶ。
奥さんは、色々なことに興味があり、
工芸にも取り組んでいて見事な作品が店を飾る。
煎餅を選んでいると、
御主人は奥さんを呼びに行った。
奥さんと会うのは2度目だ。
午前中に畑に行ってきたそうだ。
ジャガイモ作りを始め、
普通のジャガイモとポテトチップ用の物も育てているという。
何と2種のジャガイモをお土産にいただいた。
自然な流れで、遠慮なく受け取った。
色々な話の後、二人に見送られて炉何煎を後に。
なんだか、久し振りに親戚の家でも訪ねた様な気がした。
1時間もしないうちに花巻の実家に着いた。
早速、煎餅を渡し、袋を開けた。
小麦香るとは、このこと。
皆の手が伸びる。
丁寧に作られた南部煎餅はとても美味しい。
口にする度、お二人の顔が浮かぶ。
人気の「うき煎餅」。
店には割れ物のお得な袋が二つ残っているだけだった。
上手く作れるまでだいぶ工夫を重ねたと聞いた。
一度、諦めかけたこともあったが、
ついに、ふっくらとしてほのかな甘味のうき煎餅が蘇った。
炭火の熱を浴びながらの作業は大変なのだ。
それでも作り続けている。
<写真は以前に撮ったもの>

諦めない研究心が産み出す体に優しく美味しい南部煎餅。
情熱の塊の様な二人の日々の努力の賜物が、店頭に並び成城石井に送られる。
だから「つぶれない店」で取り上げられたのだろう。
口の中で溶けていくうき煎餅のほのかな甘味の心地よさ。
時代が変わってもお土産で喜ばれる南部煎餅。












