こんにちは、犬の管理栄養士です。

 

今日の内容は今年1月に愛媛大学の研究チームから発表された、非常にショッキングな論文(調査結果)に関する7回目となります。


 

 

要約(原文)をご覧ください。

【論文要約】

これらの証拠をまとめると、以下のことが言えます。

  • 日本やその周辺で獲れる魚を材料に使うと、日本特有の汚れが含まれやすい。

  • 一方で、アジア産のご飯から見つかる特定の成分は、中国の産業活動による汚れが材料を通じて入り込んでいることを示している。

つまり、ペットが毎日食べるご飯の汚れは、その国や地域の産業環境、そして材料となる魚がどこで育ったかを色濃く反映しているのです。

 

3.4 成分の種類による汚染の違い

3.4.1 主原料と汚染物質の関係

製品ラベルに記載されている「主な原材料」ごとに汚染の濃さを比べたところ、成分の種類によって大きな差があることが分かりました。

 

統計的な分析の結果、「魚」を主原料とする製品は、「肉」を主原料とする製品に比べて、明らかに汚染物質(PFAS)の濃度が高いことが判明しました。

 一方で「穀物」を主原料とする製品も、肉ベースのものよりは数値が高い傾向にありましたが、製品ごとのばらつきが非常に大きいのが特徴です。

 

本来、植物(穀物)には特定の短い鎖の成分が含まれやすいと言われていますが、今回の調査で見つかったのは、魚に溜まりやすい「鎖の長い成分(PFUnDAなど)」でした。


このことから、穀物ベースと謳っている製品であっても、ラベルに主原料として書かれていない「隠れた成分(魚由来の成分など)」が汚染の原因になっている可能性が浮き彫りになりました。

データの裏付け:魚が汚染の主役

分析図(主成分分析)を見ると、ドライフードにおいては「肉グループ」と「魚グループ」の2つにはっきりと分かれました。

  • 魚グループ: 特定の強い汚れ(PFOSやPFNAなど)が共通して見つかり、魚の体に蓄積された汚れがそのままご飯に引き継がれていることを裏付けています。
     

  • 肉グループ: 魚グループに比べて汚染レベルが低く抑えられています。
     

  • 穀物グループ: 特定のまとまりを作らず、肉グループに近いものから魚グループに近いものまで散らばっていました。

    これは、穀物フードの中身(副原料)がいかにバラバラであるかを示唆しています。

3.4.2 穀物フードの「隠れた材料」の影響

穀物を主原料とするドライフードをさらに細かく調べると、興味深いことが分かりました。

  • 肉のみを混ぜた穀物フード: 全体的な汚染にはほとんど寄与していませんでした。

  • 魚を混ぜた穀物フード: 魚に特有の汚れがはっきりと検出されました。

つまり、穀物ベースのご飯で数値が高くなる主な原因は、「一緒に混ぜられている魚由来の材料」にあると言えます。

 

もちろん、それ以外にも、栽培時に使われた農薬の不純物や、工場の機械・包装紙からの二次汚染の可能性も考えられます。

 

しかし、今回の分析により、ご飯の汚れを決定づけるのは「乾燥させる」といった加工方法の違いではなく、「どんな材料を組み合わせて作られているか」という中身の問題であることが強く示されました。

 

 

【私の知見:ラベルの裏に隠された「見えない魚」の正体】

■ 論文が暴いた「ラベルの裏側」

今回の分析結果を見て言葉を失いました。
特に「穀物ベース」と分類されたフードから検出された魚特有の強い汚れ(PFUnDAなど)です。

 

穀物ベースのフードから魚の汚染が見つかるということは、何を意味するのか。


それは、主原料の国産魚だけでなく、中国、アジア産の『魚由来の添加物』が、汚染を引き連れて入り込んでいるということです。

それは風味付けのための安価な魚粉、あるいは健康に良いと信じて加えられたアジア産のDHA・EPAオイル。

ラベルの表側に大きく書かれていない「隠れた材料」こそが、汚染の真のキャリアになっていたのです。

 

「体に良いはずの成分」が、PFASという新しい汚染の前では、かえって愛犬をリスクに晒す結果を招いていた。

論文では、加工方法の違いではなく、まさにこの「中身(原材料の組み合わせ)の問題」であると断定されています。


これらを突きつけられたとき、改めて私がこだわり続けてきたことの重みを再認識しました。

功を奏した産地選び

なぜ私が、知床産鮭という「産地」と「部位」に執拗にこだわり続けてきたのか。
正直にお話しすれば、最初からPFASを予見していたわけではありません。

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北海道オホーツク海の秋鮭漁

私が最も恐れていたのは、原発事故による海洋汚染でした。
事故現場から遠く離れ、かつ海流が交わらないクリーンな海域。


愛犬・愛猫に「絶対に安全な水と食」を届けたい一心で、知床の海に辿り着いたのです。

しかし、今回の調査結果を見て、私は愕然としました。


PFASという汚染物質が、これほどまでに世界の隅々まで、そして私たちの身の回りの便利な衣類や調理器具、カーペットにいたるまで、あらゆるものを媒介にして愛犬たちの食卓を侵食していたことは、私の想像のはるか上をいく結果でした。

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フッ素コーティングのフライパン

私がこれまで「放射性物質の影響を避けるため」に産地選びや、汚染の溜まりやすい内臓を避ける部位の選別が、実はこの目に見えないPFASという脅威を遠ざけるためにも、極めて重要な意味を持つことになったのです。

 

「何が入っているか」以上に「余計な何が入っていないか」を突き詰める「引き算」の考え方。


これこそが、放射性物質であれPFASであれ、まだ見ぬ次の汚染であれ、愛犬・愛猫を守る唯一の盾になると、その確信がさらに強固なものとなりました。

 

次回は、ウェットフード(レトルトなど)に隠された衝撃の真実「分析データが示したのは、ウエットフードが、一生食べ続けても安全とされる目安を、すでに超えてしまっているかもしれないという過酷な現実」でした。

 

「健康のためにウェットフードを」「ヘルシーな魚を」…その愛情の選択肢を、私たちはどう見直すべきなのか?

データの裏側に隠された「健康リスクの正体」に迫ります。

 

最後まで読んでいただき感謝でいっぱいです。