「まだまだざわつく日本美術」展の「特別内覧会スライドレクチャー」に当選し、7月15日に展覧会に行った記録のその3からのつづきである。

 

【第6章 しゅうしゅうする】

 

「飾用具並びに文献類」 七〇九件のうち 江戸~大正時代 17~20世紀

 

 

皮膚科医・上林豊明氏の旧蔵品。

髪飾用具を収集されていたようである。

スライドレクチャーでは、収集箱も美しいとのことだった。確かに…。

 

その上林氏が髪飾用具を収集したのは、櫛に付いている「ふけ」を集めるためという噂があったそうだが、これは「ガセ」とのことだ。…。こういうお話が伺えるのもスライドレクチャーならでは…ああ、毎回当選したいものである。

 

 

一つ一つ説明が付いていて楽しい。

 

 

上は、作品番号6-3-16「鼈甲台烏瓜変り簪」 一本 江戸時代 19世紀

 挿して歩くとカラスウリが動くそうだ。良いなあ。

下は、作品番号6-3-14「ビードロ橙飾り竹節変り簪」 一本 江戸~明治時代 19世紀

 水色部分にちょこんとある黄色い球形のものは「橙」だそう。拡大すると葉も描かれているような。

 

※この2点は前期展示のみ。

 

そして江戸時代の女性の髪形を体験できるこんなコーナーが。

 

 

ケースの裏からのぞいて顔の位置を合わせると、こちらから写真撮影すれば良いらしい。

 

 

 

スライドレクチャーでは、男性学芸員の方がモデルとなり試用している写真が紹介されていた。

 

「ガラス片(辻清明コレクション)」 東地中海沿岸域 九十枚 前14~後14世紀

 

 

陶芸家・辻清明氏のコレクション。9歳からガラス片を収集されていたそうだ。ほう…。

このガラス片をどう展示するか…アクリル皿にのせ川の流れのように、さらに照明もそれに合わせて工夫されたそうだ。

 

 

 

このガラス片、とても惹かれる。古代ギリシャを連想する模様があったり…これは何だったのだろうと考えると妄想が膨らむ。

 

最後は、「エピローグ」の展示作品について

 

「朱漆塗矢筈札紺糸素懸威具足」 一具 桃山時代 16~17世紀

 

 

こちらがサントリー美術館の第1号の収蔵品だそう。

スライドレクチャーでも「生活の中の美」が基本理念のサントリー美術館の第1号収蔵品が「なぜ具足?」と言われていたが、確かに…どのような観点で具足を選んだんだろう。まあ、武者人形を飾るような感じで甲冑を飾るというのもないことはないかも。

 

「山田氏宛書状(永楽十二代和全箱書)」 木米 一幅 江戸時代 19世

 

 

そして、こちらが最新の収蔵品だそう。

2023年「没後190年 木米」展がきっかけの収蔵品とのことだ。

 

これでスライドレクチャーの内容についてメモしたり、覚えていることは記録した。

いやあ、やっぱりスライドレクチャーは良いなあ。

 

スライドレクチャーが終わり、6階ホールのカーテンが上げられて、テラスと外の様子が見えた。あいにくの雨模様。

 

 

2022年7月「歌枕 あなたの知らない心の風景」展の時に、「メンバーズクラブ60周年特別企画」の「夏の夕涼み」がここで行われ、サントリーのお茶などいただき、楽しんだことを思い出す。

 

スライドレクチャーでは、深く取り上げられなかったが気になった作品の記録。

 

第1章

「貝尽蒔絵料紙箱」 小川破笠 一具のうち一合 江戸時代 18世紀

 

※前期は料紙箱で後期は硯箱が展示予定。

 

2章

「徒然草絵巻 第七巻」 海北友雪 二十巻のうち江戸時代 17世紀

 

 

解説パネルによると、「屏風や障子の絵や文字が見苦しい筆致だと、その持ち主のセンスが疑わしく思われる」ということから語られる徒然草第81段の場面だそうだ。

なるほどねえ。

 

第4章

「雄日芝蝶螺鈿蒔絵茶箱」 一合 江戸時代 17世紀

 

 

こちらもモノクロのグレースケール75%での展開図あり。

 

 

 

 

 

※前期展示のみ

 

「染付山水文深鉢」 有田 一口 江戸時代 17世紀中頃

 

 

スライドレクチャーでも語られていたが、このような写真が提示されていると良く分かる。この山水人物図は途切れず一つながりになっており、ぐるぐると何度か周りを回って見学。

 

第6章

「棲鸞園画帖」 18~19世紀の絵師15名 一帖(十五葉) 天明7年(1787)跋

 

 

このページは第四図「墨梅図」伊藤若冲、前期展示のみである。

 

前ページの紹介がこれ。後期展示は円山応挙のページのようだ。

 

 

「髪風俗」 一巻 江戸時代

 

 

髪飾用具収集の皮膚科医・上林豊明氏の旧蔵品。

用具だけでなく関連する絵画、書籍も収集されていたとのこと。

こちらのヘアスタイルが「体験コーナー」の参考になっているのでは?

 

「近代欧米ガラス」 ヨーロッパ・アメリカ・日本 四一二件のうち 17~20世紀

 

 

旧蔵者は、台湾出身の実業家で仏教美術コレクターの新田棟一(彭楷棟)氏だそうだ。

 

 

収集箱は作品の形にくり抜きベロア生地が張られているという何とも手の込んだ仕様。

スライドレクチャーでは図録の紹介のときに言及されていた。

 

いやあ、ブログがその4までになる大変有意義なスライドレクチャーであった。

展示も魅力的だった。後期展示も期待したい。