=第21話「奇跡の出産」=
2013年の初夏。
我が家の事件簿の中でも、とても大きな出来事がありました。
メルママ、2度目の妊娠が発覚です。
例によってお腹が大きくなってきたので、病院に連れて行ったら
「おやぁ?今度は4匹かもしれませんねぇ」
とお医者様。
「前回から間が短くないですか?」
と聞くと
「まあ、猫の妊娠期間は2ヶ月ですからね。問題ないですよ」
とのこと。
また賑やかになるなぁ。そう思いながら、メルを撫でてあげました。
そして、8月23日。
その日がやってきました。
メルがそわそわしだしたので、今回は落ち着いて出産できるように、ダンボールで巣箱を作ってあげました。
「ほら。ここで頑張りなね」
すると、メルはスルスルとダンボールに入って横になりました。
子供の猫たち3匹は好奇心旺盛なので、出産中のメルに近づかないよう、大きなケージに入れてあげました。
そして、メルの陣痛が始まりました。
1度目の出産の経験から、タオルも沢山用意してその時を静かに待ちました。
ぐれおじさん、ゆき姐、ティオパパは遠目からそーっと見守ります。
子供たちは
「え?なになに?」
「ママどーしたの?」
「ここから出してにゃ~!」
とケージの中でそわそわ。
と、他の子達を気にしながら、ふとメルのダンボールを覗くと、
なんと1匹目が産まれる瞬間でした。
陣痛が始まってものの5分です。
1度目の出産が数時間かかったので今回も覚悟してましたが、あまりにあっさりだったので、思わず
「え?早っ!」
と声が出てしまいました。
そんなことも気にせず、メルは2匹目、3匹目をサラッと出産。
そして、
お医者様が話した通り、4匹目も産まれました。
時間がかからなかったので、メルも元気そうでした。
僕はホッと胸をなでおろしたのですが、2つのことに驚きました。
まず、全員同じ茶色だったこと。ルナやミュウのような白色がほとんどなく、みんな茶色。正直、4匹とも同じに見えました。
そして、何より驚いたのは、
なんと、4匹ともモコが産まれた時と同じ、反り返った後ろ足ではありませんか!
そう。4匹全員が短足猫だったのです!
短足マンチカンの出現率はおよそ3分の1と言われています。それが4匹全員短足になるとは!
その確率、81分の1。
奇跡的な出産でした。
1度目の出産は生命の誕生に感動しましたが、今回はそれに確率的な驚きも加わったのでした。
僕はメルに
「メルは本当にすごいね。お疲れ様」
と声をかけました。
そして、お腹でお乳を飲んでいる子猫たちを見て、
「見分けられるかな」
と一抹の不安もよぎったのでした。
第21話 完







