憲法問題はなぜややこしいか | 真面目に脱線話@リンガランド英語塾

真面目に脱線話@リンガランド英語塾

英語や芸能など、思いついたことを適当に書いていくという、そういうブログです。

ずいぶん間があきました。ここのところずっと書きたいことがあったのですが、次から次に書きたいことがあると、逆に書きそびれてしまうようです。



今は衆議院選挙の運動期間中なので選挙のことは直接書けませんが、論点の1つになっている憲法について、自分の考えをちょっとだけ述べさせていただきます。



政治で憲法問題が出ると、「護憲か改憲か」といった二者択一になります。選挙がらみの討論番組を見ると、例外なくそうでした。しかし、私は選択肢がおかしいと思います。



まず、護憲か改憲かという言い方ですが、そもそも憲法は守るべきものではなく運用するものです。憲法と言っても、法律であり、決まり事であり、突き詰めれば単なる文章です。私たちは憲法に合わせて生活しているのではなく、生活を守るために憲法があります。決まり事のために生活が守れないなら本末転倒でしょう。即刻変えるべきです。



適切に設定するなら、「護憲派」と「改憲派」ではなく、現在の憲法で私たちの生活は守れるかという観点から現在の憲法で生活が「守れる派」と「守れない派」に分かれるべきです。それなら、まだ実りのある議論ができます。「とにかく守るのが正しい。それを疑うな」というのなら、法律ではなく経典です。



私の見立てを言うと、現在の憲法では中国の脅威や北朝鮮の核には対抗できないし、北朝鮮の拉致被害者も取り戻せません。



もちろん「現在のままで中国の脅威や北朝鮮に対抗できる」という説得力のある意見があれば多くの人が傾聴すべきです。でも寡聞ながら、これまでの護憲派からはそういった意見を聞いたことがありません。



それができないなら、護憲派と改憲派は、「憲法は経典(みたいなもの)派」と「憲法は(改正可能な)法律派」にも見えます。こうなると、護憲派は圧倒的に不利ではないでしょうか。「護憲のほうが得派」ならもちろん改憲派に対抗できます。ぜひ、そういう言説で憲法を守って欲しいものです。



なお、余計なことかもしれませんが、「改憲のほうが得だとわかっているけど、護憲と言っておかないと右翼に見られるから護憲派」というのでは、私に言わせれば、「良心はどこいった派」です。





また、日本国憲法は明治憲法を無視して作られています。明治憲法なら無視していいが、日本国憲法は1字1句変えてはいけないというのでは、日本国憲法の成立過程に法の精神がありません。とるべき手続きをとらない、単なるご都合主義です。また、日本国憲法をアメリカが作ったと考える立場であれば国際法違反です。



ちなみに、明治憲法では「憲法ノ条項ヲ改正スルノ必要アルトキハ勅命ヲ以テ議案ヲ帝国議会ノ議ニ付スヘシ」「両議院ハ各々其ノ総員3分ノ2以上出席スルニ非サレハ議事ヲ開クコトヲ得ス出席議員3分ノ2以上ノ多数ヲ得ルニ非サレハ改正ノ議決ヲ為スコトヲ得ス」と定められています。じゅうぶん民主的なのに守られていません。敗戦国であろうと戦勝国であろうと、国内法が優先されます。



もし「日本国憲法は改正ではなく、作り直しだから関係ない」と言うのであれば、同じ理屈で新しい憲法を作り直しても文句が言えなくなります。



ただし、わずか数名で日本国憲法を短期間で作り上げたアメリカ人も、もちろん法の精神をないがしろにしたつもりはなく、暫定憲法のつもりだったそうです。当事者の1人は、「とりあえず民主的な憲法を作っておけば、しかるべき時期に日本人で新たな憲法を作るだろうと思った」と言っています(正直、彼もアメリカも無責任だとは思いますが)。



ところが、日本国憲法は暫定憲法になりませんでした。というのが、形式上も両院で審議と修正を加えた上で成立している上に、吉田茂首相が日本国憲法を利用して、軍事面(とくに核抑止)についてはアメリカにまかせて、経済に重きを置く「軽武装国家」化を実現したからです。暫定だったはずの日本国憲法が、結局は国家の土台になってしまったからです。



しかも、このおかげもあって日本は経済発展し、たしかに平和を謳歌できたので、たしかに「日本国憲法様々」だったのは事実です。また、中国も北朝鮮も、9条があるおかげで、日本に余計な警戒心を抱かずに済みました(だから、拉致事件も起こったわけですが)。





「世界に誇る9条」などというのは、アメリカの核の傘を借りている事実を忘れている点で滑稽な自己満足にすぎませんが、そう言いたくなる気持ちはよくわかります。だって、実際、日本は平和を保てたわけですから(もちろん、同じことを拉致被害者に言えません)。



だから、中国の経済力や軍事力が強くなく、北朝鮮に核がなければこのままで支障はないのですが、状況が変わりました。日本は、中国戦艦に領海を脅かされ、北朝鮮からはいつでも核を打ち込める環境にあります。たとえば、「アメリカの核の傘がある」とは言っても、北朝鮮が短距離ミサイル全部(200発程度)をいっせいに発射したら、そのうちの何割かは打ち落とせず日本に到達して数千万人が被害を受けます。



それを避けるには、準備段階で阻止するしかありませんが、日本国憲法では「交戦権を認めない」とうたっているので、ミサイル発射前に阻止するのは不可能です。



だから、もう日本には実質的に「核抑止」が効かなくなっています。そもそも憲法学者に言わせれば集団的自衛権は違憲だそうなので、日本に米軍基地があることそのものが違憲だということになります。そもそも日本国憲法はアメリカが明治憲法を無視して作ったのに、そのスタート時点で違憲であれば「無効」だとも言えますし、実際、そのように主張する識者もいます。



多くの憲法学者は「日本国憲法は正しい」という前提なので、明治憲法についてはなんと「ノイズ」扱いで、「日本国憲法以前は全否定しておけ」という法律学者とは思えない態度をとっています(そうなると、日本は建国70年ちょっとですね)。



また、そのように前をすべて捨象して考えないと先に進めない、面倒でややこしい問題だとも言えます。





憲法問題は「正しいか間違いか」で考えるようなものではなく、「損か得か」で考えるべきだと思います。でないと「自衛隊は違憲だから廃止」から「日本国憲法は無効」まで、180度立場の違うすべての意見が成立可能になり、矛盾は永遠に解消されません。



では解決法はないかと言えば、そんなことはありません。国民投票すればいいのです。アメリカが作ったものかどうかは捨てて、今一度「この憲法を承認するか」と問えばいいのです。投票者の半分が承認すれば「日本人が承認した憲法」でいいわけです。


一度、国民が承認すれば、あとは日本人を守るための決め事として、必要なら改正を加えればいいでしょう。



ちょうどイギリスでEU離脱を問う国民投票があったので、いい機会だと考えて書かせていだだきました。



万一その権利を認めない政治家がいるのなら、憲法を選ぶ国民の権利をないがしろにするファシスト的態度だと私は思います。



ネイティブ発想でやりなおし英文法-リンク


にほんブログ村 <br /><br /><br />英語ブログ 英文法へ にほんブログ村 英語ブログ やり直し英語へ

Image(s): FreeDigitalPhotos.net



【翻訳書のご紹介】

『世界のトップエリートが絶対に妥協しない小さな習慣』(大和書房)を出版いたしました。ウォール街のトップエリート女性が書いた、「どうやったら目標を100%成功させて、人生を大きく好転させるか」を解説した本です。多くの人に役立ちすばらしい本ですので、ぜひご一読ください。くわしい内容については→こちらまで。