mustとhave toはどこが違うか | 真面目に脱線話@リンガランド英語塾

真面目に脱線話@リンガランド英語塾

英語や芸能など、思いついたことを適当に書いていくという、そういうブログです。

英語を教えていると、必ずと言っていいほど質問されることがあります。本ブログでは何度も書いているtheとaの使い分けもそうですし、今回扱う「shouldとhave toはどこが違うのか」もその1つです。



mustとhave toの違いが最もわかりやすいのは、notが付くときでしょう。



You must not go out tonight.

You don't have to go out tonight.



ご存じのとおり、上は「今夜は外出するな」という禁止、下は「今夜は外出する必要はない」という義務の意味です。



ここでは1つ留意点があります。上はmust notと助動詞mustのあとにnotが来ること、下はhave toのhaveが動詞扱いされて、do notを前に置かなければならないことです。これは、mustはあくまで助動詞、have toのhaveはもともと動詞haveであることを示唆しています。



では、なぜmust notだと「するな」という禁止の意味になって、have toだと「必要はない」という義務の意味になるのでしょうか。



それは、mustはもともと命令の機能があるのに対して、have toには義務の意味があるからです。命令と義務は意味として重なることが多いために両者の違いを見えにくくなっています。



では、まずhave toから考えます。





I have to do something.



ご存じのように「私は何かをしなければならない」という意味ですが、これはもともと次の形から生じたものです。



I have something to do.



「私にはやるべきことがある」ということ。このうちの名詞somethingが動詞doのあとに回ったのがhave to doの形です。something to doのsomethingは意味的にdo の目的語ですからおおざっぱに言えば同じような意味になります。



学校ではhave toで1つの助動詞だと考えますが、このhaveは元は一般動詞なので、notを使って否定するときはhave to notではなく、don't have toと助動詞doの助けを必要とするわけです。



You have to something.がYou have something to do.から派生したということもあって、have toの組み合わせが固定化したあとのYou have to go out.も、You have ○ to go out.というニュアンスが残っています。



ニュアンスとしては、「あなたは○を持っている。○とは外出することだ」といった感じになります。



この「持っている」というところが義務のニュアンスを生み出すわけです。「ほら、おまえにはやることあるだろ、あれだよ」→「あなたはあれをやらなければならない」となった感じです。



同様に、You don't have to go out.は「あなたは○することは持っていない。○とは外出することだ」→「外出する必要はない」となると考えられます。





次にmustについて考えましょう。



mustは古くは「余地がある」→「認められている」という意味でした。神や領主など偉い人が認めているかどうかに焦点があります。have toのほうは「主語が持っているかどうか」の問題ですから、極めて個人的な都合ですが、mustは第三者が関与するという点が大きく違っています。



そこからmustは第三者≒世間との関わりというものが出てきて、You must not go out.は「外出は許可されていない」→「外出するな」という強い意味になっていきました。



mustとhave toはおおかたは同じように使って支障がないことが多いのですが、ただし、それを言ったことで、それが世間も関わる客観的な問題か、あるいは個人的な都合にとどまるのかのニュアンスがあることは意識するに越したことはないでしょう。



たとえば、You must go out.なら話し手は「外出するというのが客観的に正しい」と言い切っていることになりますが、You have to go out.であれば「外出するという正しい選択肢があなたにはある」といった個人(=主語)の都合に帰していることになります。



「都合」でなく「義務」に言及しているので、mustを使うときにはそれなりの注意が必要です。



たとえば、You must go out right now.と言ったら、「外出するという選択肢」ではなく、「すぐに外出しないことは悪」とまで言ったも同然です。言った者もそれなりに根拠なり責任なりが求められるでしょう。



望ましくは、遠慮している相手に、You must stay at our place tonight.「今夜はうちに泊まらなきゃダメよ」みたいなおせっかいおばちゃんのような使い方をするとか、You must stop drinking.「もう飲んじゃダメだよ」みたいに、明らかに相手を気遣っていることがわかる文脈がいいでしょう。



ついでに言えば、「~にちがいない」のmustも同じような考え方で説明できます。



He must be lying.



「彼は嘘をついているよね」とでも訳すところですが、これを発するとすれば、そこに相手が嘘をついていることが客観的にわかるという確信があるとき、あるいはそう示したいとき、ということになります。



ついでに言えば、これとほぼ同じ状況を、He has to be lying.と言うこともできます。



ただし、have toの場合は、どちらかと言えば「彼」が嘘をつく事情があることがわかっているといった場合に合います。だから、mustよりやや限られた状況になるでしょう。



いずれにせよどちらも「推測」の域ですから、「~しなければならない」のmustと違って、どちらを使おうと大やけどすることはないはずです。



ネイティブ発想でやりなおし英文法-リンク


にほんブログ村 <br /><br /><br />英語ブログ 英文法へ にほんブログ村 英語ブログ やり直し英語へ

Image(s): FreeDigitalPhotos.net



【新刊翻訳書のお知らせ】

『世界のトップエリートが絶対に妥協しない小さな習慣』(大和書房)を出版いたしました。ウォール街のトップエリート女性が書いた、「どうやったら目標を100%成功させて、人生を大きく好転させるか」を解説した本です。多くの人に役立ちすばらしい本ですので、ぜひご一読ください。くわしい内容については→こちらまで。