私としてはびっくりされることのほうこそ意外なのですが、ブログでも「本当ですか?」などと質問されることもあり、やはりポジティブ・シンキングの浸透度のすさまじさを痛感します(→過去ログ)。
そこで、いちどその点を書いたほうがよさそうだと思い、今回、私見も交えながら(と言うか、ほぼ私見ですが)、その流れを書いておきたいとと思います。
ただし、あくまで独断ですので、判断はご自分でお願いします。と言うのも、「そんなのおまえの考えだろ」と言われれば反論のしようがありませんし、「廃れた」と「定着した」を見分けるのは当事者でないと難しいところがあるからです。
さて、さいさん言ってきていていますが、日本ではおおはやりの「ポジティブ・シンキング」は、アメリカではすでに過去の遺物、と言うと言い過ぎですが、過去のものになっています。
ポジティブ・シンキングとは、物事の良い面を見て、自分のセルフイメージを高くして、積極的に自分をアピールすることです。
もちろんそれがビジネスで成功する確率を上げることに誰も異存はありません。問題は「無理をしている」場合です。
たとえビジネスで成功したとして、その人はずっと「ポジティブな自分」を演じつづけなければなりません。やがて疲れてきて、中には反動で鬱になる人もいます。
また、自分のセルフイメージを高くすると、端から見ると「あいつは現実の自分が全然見えていない」と評価される可能性が高くなります。成功が続けばいいのですが、成果が上がらなければ高慢に見えるだけです。
さらに、自分のセルフイメージが上がっているのに、それに見合った成長が見られなければ、その人は単なるナルシストです。性格にイヤミなところがなければまだいいのでしょうが(そんな人は希ですし)、ほとんどの場合は「うるさいヤツ」、ひどい場合は「鼻持ちならないヤツ」です。
アメリカ中を席巻したポジティブ・シンキングがここに来てナリを潜めた理由には、もう1つ、景気の変化もあるでしょう。
景気が良ければ、「あいつ押しが強いし、明るいからいっちょ仕事を任せてみるか」という雰囲気になりますが、不景気になるとそんな余裕がなくなります。きちんと仕事ができる人、そして何よりも、人と違う発想で仕事ができる人が重用されるのは自然の流れです。
現在のアメリカはどれだけ長引くかも知れない不況のまっただ中ですから、そんな傾向がさらに強まっています。
そんなわけで、最近アメリカで重視されるのは独創性と創造性です。英語で言えばcreativityです。ポジティブ・シンキングはすでに過去のものです。
また、もう右肩上がりの時代は終わりました。やる気だけでなんとかなった時代はもう過ぎ去ったと考えるべきでしょう。努力が大事なのは今も変わりませんが、ただ突っ走るだけでなく冷静に自分のことを見つめられる能力がこれからは大切になってきます。
creativityを高めるにはどうしたらいいのかを、海外記事も交えてときどき解説するのですが、伝わっていないようなので今回一筆まとめてみました。
言うまでもないのかもしれませんが、ポジティブ・シンキングの考え方が私は好きではないので、そのへんは割り引いておいてくださいませ。
