たとえば、アメリカのオバマ大統領、アップル社のスティーブ・ジョブズ氏、ローマ教皇などが思いうかびます。
その中のひとりに、アメリカのウォーレン・バフェット氏がいます。実際、数日前に彼がThe New York Timesに発表した手記の内容はあっというまに世界中に配信され、各方面で話題となりました(→外部記事リンク)。
If you make money with money, as some of my super-rich friends do, your percentage may be a bit lower than mine. But if you earn money from a job, your percentage will surely exceed mine - most likely by a lot.
「もしあなたが、私の友人の富豪たちと同様にお金を運用して利益を上げたら、あなたの税率は私よりちょっとだけ低くなるはずだ。しかし、もしあなたが仕事をしてお金を稼いだら、税率は私を間違いなく上回る。しかも、相当の差になるだろう」
バフェット氏は、貧困層や中間層の人たちが兵役でアフガンなどで苦労させられているのに、富裕層より高い税率を課せられていることに憤ります。「アメリカ国民は痛みを分かち合わなければならないのに、その中に私たち富裕層は含まれていない。おかしいじゃないか」と。
アメリカ、いや世界広しといえど、こういったことを声高に言う富豪はバフェット氏くらいでしょう。バフェット氏は昔から既得権益を嫌い、どうすればfairな社会になるのか、どうしたら社会がうまくいくかを一貫して提案しつづけています。
To understand why, you need to examine the sources of government revenue. Last year about 80 percent of these revenues came from personal income taxes and payroll taxes. The mega-rich pay income taxes at a rate of 15 percent on most of their earnings but pay practically nothing in payroll taxes. It's a different story for the middle class: typically, they fall into the 15 percent and 25 percent income tax brackets, and then are hit with heavy payroll taxes to boot.
「理由を知りたければ、政府の収入の資料を調べればいい。昨年は歳入の約80%が個人の所得税と賃金税からである。富裕層が払っている税金は総収入の約15%で、賃金税は実質的に払っていない。それが中間層になると話が変わる。彼らは15%か25%に所得税が階層区分され、さらに重い賃金税が待ち受けている」
バフェット氏は、「富裕層には人格に優れアメリカを愛す人物が多いので、アメリカのためなら税金が上がっても受け入れてもらえる」と言い切っています。
その後、この手記に対して、いろんなところからバッシングが続いています。たとえばThe Wall Street Journalは、オバマ大統領になって税金が上がったのは年収200万ドル(約1600万円)の個人、250万ドル(約2000万円)の夫婦からであって、実感に照らせばとても「富裕層」などではないなど言っています。あらゆるメディアが、それぞれの見地からバフェット氏を批判しています。
たしかに税金が上がれば、現在の生活水準は下げざるをえません。たしかに大きな痛みを伴うものです。
ただ、アメリカがこのまま富裕層の優遇を続けると、貧富の差がますます広がります。以前このブログでも述べましたが、貧富の差の少ない社会ほど幸福を実感できるものです。なにも理想論で言っているのではなく、実際に統計をとると、貧富の差の少ない国ほど国民の幸福度が高く、犯罪が少ないとわかっています(→過去ログ)。
しかし、アメリカはこの逆をやっています(そして、現在の日本も少しずつそうなりつつあります)。
今年の初め、マッキンゼーのCEOが述べたとおり、アメリカは企業のあり方をもっと変えないと、社会不安が広がり、幸福を実感しにくい社会になっていきます(→過去ログ)。
叩かれるのを承知であえて増税論議に一石を投じたこと、私は心からバフェット氏に拍手を送ります。そして最後にこの言葉を贈りたいと思います。
バフェットさん、カッケー!
