最近でも、菅政権が早期加入を目指すTPP(環太平洋経済連携協定、太平洋沿岸の国ですべての輸入品に関税をかけないことを目指す協定)で、小沢グループは加入反対に動いている。
とくにひどいのは、TPP参加にいちばん尽力しなければならない経済産業大臣である大畠章宏が、事実上、加入反対に回っていることである(表向きは「慎重姿勢」)。
農林水産大臣など農政関係者が反対に回るのは理解できるし、むしろ当然だ。頭でTPP参加が必要だとわかっていても、自分を支えてくれる人のことを考えれば、賛成に回れるはずがないし、人もついてこないだろう。
だが、経済産業相が反対に回るのは言語道断である。日本が将来農業で食べていけるのなら話はわかるが、日本はあくまで製品輸出で食べていくことは間違いない。製品輸出を促進しなければならない経済産業相が反対に回るというのは、「日本の将来なんてどうでもいい」と言っていることに等しい。
では、なぜ大畠大臣が反対に回っているのだろうか?
簡単な話で、大畠大臣が小沢グループに属しているからである。小沢氏の指示が「TPP参加を邪魔しろ」と指示したのだろう。小沢グループの政治家が小沢氏に背けるわけがない。おまけに、引退を表明した鳩山元首相まで引き入れてしまう始末で、日本の国益などどうでもいいのだろうか。
では、なぜ小沢氏はTPP加入に反対なのか?
当然、地元の岩手県の農家を守るという気持ちもあるだろう。だが、小沢氏ほどの大政治家が、TPP不参加で日本がどれほどの不利益を被るかわからないはずがない。小沢氏ほどの見識があればTPP不参加のデメリットの大きさはわかっているはずだ。
これは私の考えであるが、小沢氏はたんに仙石由人官房長官の邪魔をしたいだけなのではないだろうか。
東大出身で(小沢氏は東大を落ちている)、学生時代に司法試験に合格した(小沢氏は司法試験に挫折している)仙石氏に、小沢氏はことごとく反目する。仙石氏が小沢氏の政治手法を嫌う以上に、小沢氏は仙石氏を嫌う。その裏に仙石氏に対するコンプレックスがゼロだとは思えない。
近年の小沢氏の政治活動は、「恨み」「そねみ」「ねたみ」が土台にあると思う。政策の実現ではなく、権力闘争にばかり関心を示す「政治屋」にしか見えないのである。近年の小沢氏の行動はそんな感じなものばかりである。
だが、小沢氏が起訴されたことは、それとは全く別である。
検察は1年半にもわたって小沢氏を取り調べ、関係者2人を逮捕したが、結局、不起訴にするしかなかった。その間、小沢氏に不利な情報をマスコミにリークしつづけ、まるで小沢氏が犯罪者であるかのように世論を誘導した。
また、マスコミも小沢氏を根暗で金に汚い権力者として報道し続けた。テレビと新聞を通じて見る小沢氏は、まるで金と権力の亡者である。実際の小沢氏はそんな人物ではない。
小沢氏は田中角栄の権力失墜の過程を見ているので、お金に扱いにぬかりはなく、政治資金をすべて透明化している数少ない政治家である。金権政治はやっていても、それを懐に入れるような小さな人物ではない。小沢氏なりの錬金術はあるだろうが、それは反社会的なものではなく、まっとうなものであるはずだ。
では、なぜ検察は小沢氏にあれほどこだわるのだろうか。次にその点について考えてみたい。
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