まず大事なことは、ある段階にいった学習者はその下の段階の英語をすらすら読めるようになっている点です。
たとえば、英語が好きな高校1年は、中学1年の教科書を訳さずにすらすらよめるようになっています。ところが、高校3年生の教科書は辞書を引き、文法構造を考え、意味の切れ目がどこにあるかなどを一生懸命に考えないと読めません。
これは中級以降のどんな学習者でも同じです。すでに中学レベルの英語は訳さずともすらすら読めますが、原書の英語は訳さずに読むのは難しいでしょう。
あるレベルの英語を訳さずに読めるようになるためには、それより上のレベルの英語で練習しなければなりません。高いレベルの力をつけたかったら、つねに一段階上のことをやるべきだと考えます。
では、そういったひとは中学レベルの英語は無視して、原書レベルの英語だけやればいいのかというと、そうではありません。どちらも必要です。
まず原書レベルの英語は英文の構造を文法的に分析し、正確に直訳できるようになることが必要です。やさしい部分はさっと読み、ひっかかるところはしっかり考えます。
また、できなかったところは自分の弱点ですから、強化すると力が伸ばせるのは言うまでもありません。声に出して繰り返し読むことでその英文について「訳さずに読む」ことまで力を引き上げられるので、実力強化がはかれます。
ここで大事なのは、疑問点がゼロであり、かつ正確に読めていることです。誤解を繰り返すと誤解が定着します。それでは害があります。それを繰り返すことで、原書レベルの英語がだんだんと訳さずに読めるようになっていきます。
また、中学レベルの英語をたくさん読むことも必要です。これは読むスピードを速くするための訓練です。読みを早くするためには、一度に意味がとれる意味の固まりを長くすることが必要です。
最初は1語ずつかもしれませんが、次に3語以上、次に4語以上といったように、一度に把握できる英語をなるべく長くとれるようにします。中学1~2レベルであれば、1文を一度に見てすぐに意味がわかるようになることが理想です。
その訓練に有効なのは多読です。読んで読んで読みまくることです。たくさん読むことで、一度に把握できる情報量が増え、日常的な英語なら素早く読めるようになっていきます。
できれば、それと同時に例文の暗記をするといいでしょう。いろんな説がありますが、私は1000文くらいを暗記すれば、水準を超えられるようになると考えています。
次に原書レベルの英語がきちんと読めているかどうかを訓練します。それには訳が載っている英語を使い、実際に頭の中で意味を日本語で作り、合っているかどうかを確かめることが有効です。このレベルになると、合っているか間違っているがあっという間にわかりますから、どんどん勉強をすすめることができます。
これができるようになったら、次はその英文が言いことを日本語でまとめる訓練をします。正確に考える必要はありませんが、目安として英語の情報量の5分の1くらいでまとめるようにするといいでしょう。
これができるようになったら、最後はそのまとめを英語で言えるように訓練すると良いでしょう。これには中学レベルの英語を大量に読んだことが役に立ちます。できるだけやさしい英語でまとめられるほど、レベルが高くなったということ。これがすらすらできるようになれば、めでたく上級レベルの仲間入りです。
いろいろ補足したいことはありますが、今回はここまでにします。英語学習を効率よく進めたければ、ぜひ訳読をうまく利用することをおすすめします(このあたりのくわしいことはメルマガなどでも提供するつもりです)。
(この項、終わり)
