「今日、あなたがここに来たのには
理由がある。」
それがある神様のお導きだと言われた時は
正直ピーンとこなかった。
私には父方の祖母が高校の終わり頃から
補助霊さんとして、守護霊さんとは別に
守って下さっている。
ちなみに18歳の頃、250ccバイク
で事故を起こし、乗用車の側面に突っ込み
11メートル飛ばされた。
当時はドアミラーが主流だったが
激突した乗用車が、たまたまミラーが
ボンネットのフロントに付いているタイプ。
そのミラーに引っかかった為に真っ直ぐ
歩道の上を飛んだので・・・
11メートル先の歩道に着地したのだ。
警察の現場検証で、ドアミラーのタイプ
の乗用車なら、確実に左側の建物の壁に
叩きつけられて、内臓破裂で即死だった
と後から聞いた。
しかも、骨折もなく、かすり傷と打撲で
済んだのはまさに奇跡。
その空中を飛んでいる時(感覚としては
数十秒間)祖母が現れて
「あんたもうしゃーないなー」と微笑んだ。
そう。ばあちゃんに助けてもらったのだ。
御住職曰く、あなた自身、あまり
守護霊さんの力を借りずに今まで
やってきはった。
理由は簡単。あんた頑固やろ?
私はあははははと笑って誤魔化した。
神妙な面持ちで御住職はこう言った。
「もう自分の力だけではあかんとこ
まで来てる。
だから、ここに呼ばれたんや。
蔵王権現さんに…」
思わず私は言った。
「蔵王権現さんって…誰ですか?」
御住職とお弟子さんが吉本新喜劇の様に
ガクッなっていた。
「蔵王権現様を知らんのか?」
と半切れでおっしゃった。
「なんでその神さんなんですか?」
とお聞きした時に御住職が言った。
「あなたの後ろに立っておられる。」
御住職は蔵王権現さんのご本尊が
祀られている奈良、吉野にある
金峯山寺の蔵王堂の存在とその
真言である「オン・バサラ・クシャ
アランジャ・ウン・ソワカ」という
言葉。そして蔵王権現さんのお札を
授けて下さった。
「あせる事はない。
時間があれば吉野に参って
権現さんにご挨拶しておいで…。」
その御住職の言葉を聞いた時に
私の霊感がはたらいた。
御住職はそこに全ての答えがあること
を知っている…と。
先入観を入れずに何かを感じ取って
来いと言う風な意図を感じずには
いられなかった。
私は頭を下げて、お寺を後にする。
数日後、梅田の私の事務所にある
神棚の南側に、蔵王権現さんと縁の
ある神変大菩薩さんのお札を貼って
真言をあげ、念を出す呼吸法を
続けた結果…
二年ぶりに「便秘」になった。
おかしな話、その当時では
『一番の奇跡』である。
しかし、その2週間後の朝。
導かれたかの様に、奈良の吉野へ
向かう事になる。
御住職の思惑通りに
そこで全てを知る事になるとは
思いもよらなかった。
数百年前の記憶が蘇るなんて
誰が想像できるだろうか?
次回、全てが解き明かされる。
つづく
