以前、お念珠のオーダーを頂いた男性の
母上様から、今度、退職される旦那様の
お誕生日のお祝いにと、新しいお念珠の
オーダーを頂いた。
いつもの通りに
「手首実寸」「カラーイメージ」そして
「石に望む力」「込めたい想い」を確認
したところ、こんな答えが帰ってきた。
「健康とすこやかに過ごせる事」
少し健康に不安があるという旦那様に
対する母上様と、是非にと薦めてくれた
父上を思う息子さんの思いが伝わる内容
だったので、早速、自分なりにイメージ
してみた。
まず最初に現れたそのイメージカラーは
「茶褐色」。これはすぐに「琥珀」だな
と理解したが、次に出てきたキーワード
は「透明感」。
石に込めたいご家族の「想い」と石の効力
と色のバランスを考慮してイメージ
そして…出来上がったのがこのお念珠。
そのイメージに従って実際に使用する
石の種類とサイズ、珠数を決める「設計図」
なるものをまずは作成するのだが…今回は
非常に難しいサイズである事が判明。
何が難しいというと…
僕の中にある「ルール」のひとつに
「韻を踏む」というものがある。
それは「色とサイズと意味のバランス」
とでも言おうか…
意味を重視するあまり「色の構成」の
バランスが悪かったり、逆にサイズや色
を重視するあまり、本来必要な求める石
の力のバランスが悪いのは、あまり良く
ないと考えている。
たまに見かける誰かが作った念珠を視ると
製作者のエゴが出ていたり、原価に囚われ
るあまり、チグハグな仕上がりであったり
強い石と弱い石の組み合わせが悪かったり…
※人の事をとやかく言える立場ではないので
持ち主には一切言わないが
後は…手首周りの実寸サイズに合わせた
「仕上がりサイズ」を導き出すのが、使用
するメインの石の直径によって、単純に割り
切れないかなり難しい計算だったり。
例えば…手首の実寸サイズが160mm
の場合,全て8mm珠を使うとして
単純に160mm÷8mm=20t珠・・ではない。
実寸160mmに対し、外周計算としては
8mm珠の半径4mmとほんの少しの余裕
を計算に入れて、使用出来る珠の数を導き
出さねばならないので大変なのである。
同じ石の種類とサイズが合致すれば、全体
の珠数が奇数という事もあるが、ほとんど
が個々の特注でクライアントの様々な思い
があるので、複数の種類の石を使うならば
絶対に偶数でないと「韻を踏む」という事
が出来ない。
という訳で、実際には0.5mmの攻防なのだ。
出来上がったお念珠は、基本的に粗塩水で
一晩浸し浄化、翌日の朝の太陽光にあてて
チャージする。
そして…手のひらに置いて手をかざし
「想い」を入れる。
そうして
完成したお念珠をお客様の元に…。
それが大切な誰かへの贈り物なら
必要とあらば、その時一緒に
使用した石の名前と効力が分かる
資料をお付けしている。
贈られた方はきっと…贈った方の
「想い」をその石の『意味』で感じる
事が出来るなら、嬉しいからである。
数日後…
私のお念珠を紹介して下さった
今回の依頼主の息子さんのご友人から
お話を聞けた。
彼のイメージとは少し違っていたが
感想は「うおー」という感じ。
依頼主の彼の母上様は
鳥肌が立ったとおっしゃっていた。
結果、それをプレゼントされた旦那様は
とても気に入って、このお念珠を左手に
する為に、何十年も左手にしてきた腕時計
を右手に変えたそうである。
「健康で穏やかに暮らして欲しい…
お父さん、家族の為に今までご苦労様」
そんな奥様と息子さんの思いを形にした
お念珠。そんな瞬間に触れる事が出来て
とても嬉しく思います。