魔女さんからのプレゼント 前編 | Al Cuore dell'Etna

Al Cuore dell'Etna

イタリア・シチリア島の活火山エトナに恋して、長年その麓で自活してきました。帰国した後もエトナ山の「心」に自分の一番良い物を捧げたい。今日も元気な活動を続けるもう一つの「エトナ」のお話しです。

イタリアのクリスマス・イベントは、宗教上1月6日までです。

この日はepifania エピファニアといって、言葉はラテン語が由来のようですが、カンタンにいうと主・キリストが外国人にも救い主としてその姿を示したお祝いの日なんですね。


クリスマス・デコレーションを飾った記事で、プレぜーピオというキリスト誕生当時のエルサレムを模型にしたものを組み立てたことをお話ししましたよね。


そこにジュゼッペ(ヨセフ)とマリア、キリストがいるメインスポットの馬小屋があります。

実は、一番最初にキリストを拝みに行けたのは、地元の階層の低い牧人たちでした。

ここでキリストが、王や権力者のためではなく、貧しい人々を救うために生まれてきたという深い意味があるように思います。


その次にキリストを拝みに来られたのは、これまた地元の一般市民ではなく、立場の弱い外国人たちでした。

東の国(アジア)から星のお告げを見てはるばる訪ねて来たという、色の黒い3人の賢人たちです。


彼らは当時ではとても高価だった黄金・乳香(にゅうこう。カンラン科フランキンセンスの樹脂から取り出した香油)・没薬(もつやく。埋葬の時に死体に塗る保存薬)を、将来ユダヤ人の王になると星が告げたキリストに捧げたんですよね。


ですからプレぜーピオの本当の楽しみ方は、クリスマス前には三人の賢人たちをうんと遠くに置いてあって、だんだんと馬小屋に近づけてゆき、1月6日のエピファニアの日には赤ちゃんキリストの前に置くというやり方なんだそうですよ!

イタリアでは翌日の7日になって、ようやくクリスマスツリーやプレぜーピオを片づけるんです。



この「外国人=全ての国の人々のためにキリストが生まれたことをお祝いする日」という行事から、子どもに贈り物を持って来る賢人たちを模写する習慣が生まれ、ルネッサンス頃になってこの賢人たちが多数の女性としてイメージされるようになりました。


この女性たちは全身、または顔だけが黒くて、どちらかというと醜い姿で象徴されてきましたが、これは東南アジア人の肌の浅黒さと共に、中世の魔女を表す黒、そして外見の醜さも含まれているのだといいます。


やがてこの多数の女性が Buonoブォーノ(善)と Cattivo カッティーヴォ(悪)を代表する二人となり、良い子には善がお菓子を、悪い子には悪が黒い炭を配って歩くと言う習慣が生まれました。


やがてムッソリーニ率いるファシズムの時代になると、クリスマスにはサンタクロースが長靴にプレゼントを入れるというアメリカの風習に対抗して、このイタリア生まれの人物である Befana ベファナという魔女が善悪兼ね備えた絶対的なクリスマスの象徴として位置づけられたんです。


       子どもたちに大人気のベファナばあさんです。
           Photo by Nanae N.

Befana


今日のエピファニアはカレンダーの上でも休日。

イタリアの子どもたちは寝ている間に、靴下の中に入ったプレゼントをもらうのを楽しみにしています。


さあ、もし今のあなたが子どもだったら。。。

楽しいベファナばあさんの絵がついた靴下の中に、お菓子と炭、どっちがたくさん入ってると思う?


ちなみにイタリアの炭は砂糖菓子ですよ~♪

ちょっとぐらい悪い子でも、ご安心あれ!