私の知り合いの教育学者が「子供の頃から哲学者」という本を出していて、けっこう売れているようです。
私の娘は、今 思うと「生まれた時から言語研究者」だったように思います。研究者というかほかの子どもがなんの疑問も持たずに使っている言葉が 理解できないというか納得できなくてフラストレーションがたまっていた時期が長くありました。
そのこだわりの一つが「あいさつ」や「決まり文句」です。
今、アメリカの大学生に日本語の初級を教えていて、最初に「あいさつ」や「教室でよく使う表現」などを教えています。
あいさつの中には英語と1対1の対応があって、訳を教えればいいだけのこともありますが、英語にはないので説明が必要なものもあります。
娘が納得がいかないというか「変」だと思っていたのがHow are you?があいさつだということです。これって疑問文で相手に「今日の調子はどう?」のように聞いているわけですが、娘は今でも「私の調子や気分がどうかを本当に知りたいはずがない相手にHow are you?って言われるのマジ やだ」と言っています。
娘が言葉の発達の遅れを心配されて診断に行った頃、私は心配でいろいろな人に相談していました。娘が通っていたデイケアに日本人の先生がいて、他の日本人のお母さんが、その先生のクラスにしてもらえたらいいんじゃない?と言ってくれたので園長さんに相談に行ったことがありました。
園長先生が娘の様子を見に行き、How are you?と言ったら、娘が I am four. I just turned 4. と言ったそうです。ちょうど娘の4歳の誕生日の直後だったので、娘はHow old are you? と聞かれたのだと思ったのでしょう。それで園長先生は一緒にbirthday song を歌ってくれて、ちょっと話をしたそうです。
その後の会話がどういうものだったかはわかりませんが、娘の成長は遅く、他の子ともうまくいっていないというようなことを言われました。それで4歳半からはモンテッソーリ教育のプリスクールに転校しました。
5歳になってすぐ日本語補習校の幼稚部に入りました。そこでは朝のごあいさつは、当然「おはようございます。」です。私が教員をしていたので娘はいつも一番最初に先生に会いました。別の補習校に移った後もたいてい一番早く学校に行っていました。どの先生にも「いつも元気よく大きい声で『おはようございます』と言ってくれます。」と言われました。How are you?の時はブスーッとしながら小さい声でGoodと答えるだけのことが多かったので意外でした。
最近になってまた病院で注射を打たれてナースにHave a good day!と言われて「私が注射されて『イタ〜』ってなっているのにHave a good day!って変じゃない? いい日になるわけないよ。『お大事に』のほうがいい」と言っていました。
あいさつ言葉の好き嫌いなんて私は考えたこともないけれど、バイリンガルだとどっちのほうがいいとか、こっちの言葉のあいさつは変だとかを小さい頃から考えるんでしょうか。
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