昨年の9月に、アメリカで日本語・英語のバイリンガル子育てをしている保護者を対象にワークショップをおこないました。その参加者から寄せられた質問に少しずつ答えていきます。これは、私の先行研究に基づいているものや個人の経験談や私見が混ざり合いますが「ブログ」の性質上、どうかご自分に有益だと思う部分だけ、拾って参考になさってください。

 

このワークショップは 日本語でおこなわれたため、参加者のほとんどが日本からいらした方で、滞在年数は1年以下から20年以上と幅広かったです。子育て中の方が中心で、上のお子さんの年齢が10歳以下の方が過半数を占めていました。
 
お子さんが小さいと、これからお子さんが言語を習得していく上で、どちらも中途半端な「ダブルリミテッド」「セミリンガル」になってしまわないかと心配している親御さんが少なからずいらしたようです。
 
ワークショップの最後に1つだけどうしても質問したい、ということで受けた内容も「ダブルリミテッドへの心配」でした。
 
これは、招聘したバイリンガル教育の権威である先生が代表してお答えになっていたので、そのまま引用します。
 
「ダブルリミテッド」になる人の多くは、親と共に移民して、どちらの言語でも十分な教育を受けていない人である。
日本でも母国で母語で教育を受ける前に親と共に移民して、突然 日本語による義務教育を受けた場合、親も子もまったく日本語がわからず、また母語でも教育を受ける機会がないために「ダブルリミテッド」になる子供がいる。
ただし、アメリカ(ここではロサンゼルス地区)に来ている日本人子女の場合、親の教育水準が高いことが多く、日本の移民に対する日本語支援に比べ、移民に対する英語教育法が充実していることから「どちらの言語でもまったく学べない」状態が続くことは稀ではないか。
そのため、このワークショップに参加している保護者のお子さんが「ダブルリミテッド」になる危険性は低いと思う。
 
とのことでした。私は終了時間を気にしていて、きちんと質疑応答を記録したわけではありませんが、このような趣旨をお話しされていたことは確かです。
 
私が個人的に、娘が通っている日本語補習校や現地校(と呼ばれるアメリカの小学校)で見てきた日本人の子供達の中に、正直「この子はダブルリミテッドになってしまうのではないか。」と心配になる子がいることはいます。そういうお子さんは、一言語だけで教育を受けても特別支援が必要であったり、学習障害があったりします。つまり二言語で学習しているから、そうなってしまったというよりは、そのお子さん自身の学習能力が大きく影響しているように見受けられます。
私は たまたまアメリカの大学院で「特別教育(Special education)」でも学位を取ったので、言語発達と認知の発達を同時に見ようとする傾向があるのですが、正直、両言語が思うように発達せず「ダブルリミテッド」になる人にはどのような要因があるのか、どうすれば防げるのかはわかりません。
 
ただバイリンガル育児相談[2]でも書いた通り、日本語と英語のバイリンガル話者の多くが 親と共に移住して日本語と英語で教育を受け、その時々には苦労してもバランスよく両言語で学習できるようになっていくことから、前述の先生がおっしゃった通り、あまり心配しなくてもいいのではないかと思います。
 

 

 

 

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