藤ノ木優です

 

先日、GOAT企画に取り上げて頂いた

 

 

 

 

「あの日に亡くなるあなたへ(小学館)」

 

元々

「いま、会いにゆきます」

 

「オーロラの彼方へ」

 

 

というタイムリープものが好きで

小説家になったなら

いつかそんな話を書きたい!

 

と思って作った一編です

 

デビュー作が振るわず

いつ作家として終わってしまうか

分からないような状況だったので

 

出し惜しみせず

無理してでも

書きたいものを書こう!

という情熱で

編集さんにアタックした末に

書き上がったのでした

 

それにしても、

書くのは想像以上に大変だった

 

タイムリープものは

その作品の中の

ルールを決めるのがとても大変

かつ

どう頑張って書いても

絶対に辻褄なんて合うわけないから

なのです

 

書き切るには

作者の、ある種の開き直りが必要なのです

 

と、創作論はおいといて・・

 

この作品

色々思い入れが深いのですが

その中でも、大変感慨深いのが

 

始めて重版出来(じゅうはんしゅったい)

した作品

 

なのです

 

重版とは、

本が売れて、在庫がなくなったので

追加で本を作りますよ

というもの

 

作家は

小説を書かずして印税が懐に入る

つまりボーナスのようなものなのです

 

今でこそ

私が書いた文庫は

それなりに重版がかかるようになりましたが

 

その頃は

重版なんて夢のまた夢

というか、そもそも重版って本当にあるの?

とまで思っておりました

 

日本では

1年間に7万冊以上の新刊が発売される

なんて言われております

 

その中で重版がかかるのは

1割前後というデータもあります

 

ものすごい世界

 

で、文庫本って

恐ろしく消費が速い世界で

発売して1ヶ月して重版にならなければ

あっという間に次の新作に

埋もれてしまう

 

なんて言われております

 

発売1ヶ月が勝負

あまりに過酷すぎる

 

さて、

「あの日に亡くなるあなたへ」

は藤ノ木優として2作目の文庫だったのですが

 

上述のように

デビュー作が振るわなかったので

初版部数も絞られ

あまり宣伝もうたれませんでした

 

あのときの絶望は

よく覚えています

 

書店に行っても

自分の本が一冊もない

なんて経験はざらでした

 

あっても一冊というありさまで

書店に行っても

棚に刺さって背表紙だけが見えてる

なんて状況

 

この広い書店で

数えきれないほど本があるのに

その中からこの一冊を

誰が手に取るねん

 

出先で

こっそり書店を訪れては

絶望に突き落とされていたのを

よく覚えております

 

結果

書店の売り上げランキングに顔を見せることはなく

あっという間に1ヶ月が経過

 

ああ、

2作目も駄目だった

もう、小説家として次の作品は出せないかも

 

そんな気持ちでした

 

重版の連絡を受けたのは

なんと刊行から半年後でした

 

当時のことは

ブログにも残している

 

編集者さんに言わせると

ものすごく珍しいことみたい

 

実は

この作品を気に入ってくれた

小学館の営業さん

さらにいくつかの書店さまが

地道に、地道に

この本をプッシュしてくれていたようなんです

 

結果、

「あの日に亡くなるあなたへ」

は現在4刷まで

重版回数を伸ばしております(すごい)

 

出版不況が叫ばれて久しいし

実際に辛いこと、きついことが

本当に多い世界だけど

 

こんな奇跡みたいなことが

まだ起こるんだと

胸が熱くなりました

 

こんなところでも

人と人の繋がりなんですよね

 

実はその後も

小学館さんからは

私の作品を

度々色々な企画に

取り上げて頂いております

 

感謝!