民間病院のクレジットカードによる医療費支払い
現在、中核病院では医療費をクレジットカードで支払えることが多く、医療機関が手数料を負担している。ここで言う中核病院とは、済生会病院、赤十字病院、国立医療センターなどである。
このような病院では、外来にはATMに似た機器が置かれていて、クレジットカードで支払うと領収書が出てくる。
一方、民間の特に個人病院ではクレジットカードで支払える病院はあまりない。これは患者の数的に中核病院に比べ段違いに少ないため、手数料負担が大きいからだろうと思っていた。
また中核病院の規模では、患者さんにクレジットカードで支払って貰うと、何人か受付の事務員を減らせそうに見える。一方、個人病院だと、受付の人が減らせるか疑わしい。(個人病院はセルフで出来るATMのような機器がなく星乃珈琲店のようなタッチ決済)
産婦人科や歯科の個人病院では、クレジットカードで支払えるところも多くなるが、これは自費の支払い比率がおそらく他科に比べ高いことが関係している。
ある日、通院している整形外科医院で突然クレジットカード支払いが可能になった。タッチ決済で支払えるのは素晴らしい。クレジットカードで支払えるとお釣りが生じないし、マイルも貯まるし良いことばかりである。ただし個人病院でクレジットカード支払いの導入はカード会社の手数料が気になるところである。
一般にクレジットカードの手数料は2〜3%と言われているが、医療機関の場合、もう少し配慮されて低いらしい。1.5〜1.9%程度と言われているが、カード会社とどのように交渉したのか?などが気になっていた。
よく考えると医療費は3割負担の人が多いので、医療費総額に手数料%がかかるわけではない。総額に対する手数料負担は1%未満になりそうである。そこが車のSUVなどの残価設定ローンとの大きな相違だと思う。例えば車の場合、50%残価としても金利は総額にかかる。これは残価設定ローンの闇の部分である。
その院長は大学の後輩なので、聴きやすいこともありその詳細を尋ねた。
ところがである。驚愕したことに、院長は「事務の方がやっているので自分は知らない」と答えたのである。無借金経営で余裕があるのであろう。どうも2代目か3代目なこともあり、ボンボン丸出しだと思った。
こんなことを知らない社長がいる?!
結局、個人病院がどのような経緯でクレジットカード導入したのか、何も聴けなかったのである。
そこでもし精神科病院がクレジットカード支払いを導入した場合、どのようなメリットがあるか考えてみた。
最初に挙げたようにクレジットカードカードで支払えるようになっても、受付事務の人が減らせるとは思えない。しかし現金の受け取りが少なくなる分、お釣りなどの渡し間違いは減少する。また、仕事量が多少は減るので働き方改革的にはメリットである。
他、精神科は外来受診時にお金を持って来ない人がおり、会計時に支払わない。厳密には病院での支払いはしないが、院外薬局で支払うお金は実は持って来ている。院外薬局はツケが効かないからである。
これを見ると、いかに薬をもらうためだけに病院に来ているのがよくわかる。このような未収金は、家族に月毎に持って来てもらうようにしていた。きっと本人も家族が医療費を支払うことまで計算に入っているのである。
単科精神科病院は、時に半端ない未収金があることがある。時に1000万円を超えるほどである。
この未収金がクレジットカードで支払えるようになったら減るかと言えば疑わしい。ただ、外来に限れば現金が少ない時でも支払し易くなる分、未収金はいくらか減りそうである。
未収金が生じやすい場面として輪番やリエゾンが挙げられる。特にリエゾンは酷い。身体科の入院患者さん、あるいはその家族は、入院中の医療費はその病院だけと思っているところがある。
ただしリエゾンの診療報酬は激安なので、仮に未収金があっても7割は国保、健保などから入っているのでまだマシだと思う。
一方、入院費の窓口支払い分が滞ると、督促をかけてもなかなか入金がない場合、次第に膨れ上がる。医療機関は、闇金ウシジマくんのような追い込みはかけられないので、未収金が未収金のままになり易い。(医療費を支払わない重い患者さんはその理由だけで道義的に強制退院させられない。また転院させるのも無理である)
このような未収金はそもそも国が支払うべきと言う考え方もある。
精神科以外の未収金としては、海外からの観光客の医療費が支払われないことが増えていると言う。これが海外だと容易に帰国できない。ホノルルマラソンなどで突然意識を失い救急搬送されて1000万以上の医療費を請求されて困った話を聴く。日本は皆保険なので、相対的に医療費が抑えられている。だから海外に比べ日本の医療費は保険が効かなくても激安だが、なお、未収金になり易いのである。
今回、医療費をクレジットカードで支払うことを考えているうちに、いくつか意外な発見があった。
それは、実際は医療費総額の1%未満の手数料が生じることと、クレジットカード決済と未収金の関係である。