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コンサータ服用時、深夜に食欲が増す理由

コンサータを服用時、深夜に食欲が増して困ると言う人がいる。コンサータを服用中の人が全てそうなるわけではなく、食欲が多少増しても問題にならない人もいる。

 

そのそも食欲が増しても本人が言わないこともあるので、コンサータ服用者のどのくらいの割合なのか不明である。

 

コンサータは日中、ノルアドレナリンやドパミンレベルを高めることにより食欲を抑制する。そのようなことから、就学期の子供では夏休みなどの長期休暇中は休薬するなど、成長期の食欲抑制に対し配慮が必要とされている。

 

単純に考えれば、深夜はコンサータの血中濃度が下がるため、その反動で食欲が増すと言ったところだと思う(約10時間から12時間食欲を抑制)。

 

これは、元々の食欲の規模が増幅されているのか?と言う疑問がある。コンサータを服用以前は深夜に何か食べたくなるなどはなかったと言う人がほとんどである。従って、何らかのコンサータによる薬理作用が影響している。

 

例えばコンサータを服用中は日中あまり食欲が湧かないため、食事を飛ばしたり食事の量も少なくなる人がいる。そのような人は日中の摂取カロリーが少ないため、コンサータの作用が下がると、より脳が摂食行動のシグナルを出しやすくなる。身体がエネルギー不足を感知するからである。

 

またコンサータの効果が切れるとノルアドレナリン、ドパミンが不足し、意欲、集中力の低下、気分がバッドになるなどが生じるが、身体は刺激物?(つまりノルアドレナンやドパミンが上がりそうなもの)を欲求しやすい。これはチョコレートなどの甘いものや炭水化物などのエネルギー源となるものである。

 

食欲に関して他の要因も考慮する必要がある。

 

食欲を抑制するレプチン(満腹ホルモン)は、深夜から明け方にかけて最高レベルとなる。レプチンは食欲を抑制し熟睡しやすくなる。ヒトにとってレプチンは摂食や睡眠に関与している。

 

コンサータにより不眠などが生じ睡眠バランスが崩れると、レプチンが深夜に上昇せず、逆に低下することもあり、深夜の食欲が増進するという奇妙なことが起こる。これらのホルモンは睡眠状態が正常であってこそ、サーカディアンリズムが保たれると言ったところである。

 

また、胃から分泌されるグレリンは、空腹感を増進させ食欲を亢進させるホルモンである。この作用から空腹ホルモンと言われる。グレリンは脳の視床下部に働きかけ、摂食行動を刺激する。下垂体から成長ホルモンの分泌も促す。グレリンは消化菅運動促進、体重増加、脂肪蓄積作用、体温調整、筋肉量の増加などの生体機能に影響している。グレリンはレプチンの概ね逆の作用があると言える。

 

グレリンは、深夜(特に睡眠中)に上昇する傾向がある。つまり相反する作用を持つレプチンとグレリンは深夜にいずれも増加する。グレリンに関しては、深夜に消費エネルギーを抑制し若い人では筋肉量を増やすなど、成長に関わっている。

 

「寝る子は育つ」ということわざがある。子どもが眠っている間にグレリン、成長ホルモンが増え骨や筋肉の成長を促す。つまり「寝る子は育つ」ということわざには科学的根拠がある。

 

余談だが、深夜に眼が覚めた際、スマホやタブレットのブルーライトを見るとメラトニン分泌を抑制する。深夜にブルーライトを見ることは睡眠を乱し健康に良くないのである。

 

グレリンはレプチンあっての作用である。グレリンは夜間に食欲を亢進させるように見えるが、同時にレプチンの分泌が増加することで、「満腹ホルモン」作用によりそこまで問題にならないのであろう。

 

しかし睡眠不足や夜更かしはこれらグレリンの作用にも影響し、例えば深夜に起きているとグレリンレベルは更に上昇しレプチンの作用を上回り強い空腹感や過食を生じる。

 

コンサータが睡眠に悪影響を及ぼし、睡眠不足やバイオリズムを悪化させると、このようなメカニズムで深夜の食欲を増加させる。これら以外にオレキシンも関与していると思うが、長くなる上、複雑なので今回は言及しない。

 

また、そもそもADHDの薬であるコンサータはADHDの人以外には処方されない。ADHDの疾患的に衝動性、報酬感受性があり、深夜にコンサータの作用が低下すると、我慢が効かない状況になりやすい。

 

コンサータによる深夜の食欲の亢進や過食は、単に反動だけでなく、覚醒・睡眠のリズムへの影響、ADHDの疾患特性からも理解することができると思う。(深夜の食欲亢進は意志の弱さではない)

 

参考