ADHDの人はギャンブル依存になりやすいのか?
感覚的にはADHDの人は、一般の人に比べギャンブル依存になりやすい要素があるように見える。そう思う理由は、ギャンブルで儲かることが脳の報酬系を刺激するからである。
具体的に言えば、パチンコやパチスロで777がかかった時、あるいは競馬、競艇、競輪などで的中した時、脳内からドパミンが放出される。この経過そのものが、ADHDの人にとって習慣化しやすい要因となる。
しかしADHDの人がギャンブル嗜癖に必ずなるわけではなく、遺伝的要因(いわゆる家族全員がパチンコ好きなど)も大きく関係すると思う。家系的にADHDの人が多かったとしても、ギャンブルをする人が全くいないと言うことも普通にある。
このように考えるとADHDの人は、遺伝的背景があれば、なおさらギャンブルに嵌りやすいとは言える。
また、ADHDの人にギャンブル嗜癖(依存)が生じる要因として衝動性がある。これは計画的ではなく熟慮せずに思いつきで行動しやすいことが挙げられる。時間を待てず、すぐに結果が出る(すぐに報酬が得られる)特に公営ギャンブルに魅力を感じる傾向がある。
またADHDの人は二次障害として抑うつ気分や自己肯定感の低さなどがあり、ギャンブルをすることで、それを埋め合わせる面があると思う。それは上に挙げたギャンブルで儲かった時のドパミンや、ノルアドレナリンなどもそれらを緩和するように作用する。
ADHDの人にとってギャンブルは、金銭的困窮や、社会生活そのものを破綻させたり、自殺の原因になり得るので、できるだけ避けた方が良い娯楽だと思う。
なお大規模調査でADHDの人はギャンブルの問題を抱える割合がADHDでない人に比べ高かったという論文がある。調査ではオッズ比(OR)は約3.6であった。
逆にギャンブル依存の人を集めるとADHDの割合が比較的高かったというデータもある。
余談だが、数年前までネットでの海外のカジノはグレーゾーンで処罰されるかどうかは微妙であった。なぜなら賭博に関係する法律は、主催者(つまり胴元)を処罰する意図が大きく、まず胴元を処罰し、それに併せて参加した人も処罰するものだったからである。もちろん胴元の罪の方が大きい。それなのに客だけ処罰し、胴元は御咎めなしと言うのはおかしいと言う考え方があった。
当時、警察の捜査で「あなたはネットカジノをしましたね」と判明しても、本人が処罰に応じれば軽い罰金刑になるが、弁護士を使い応じない場合、不起訴になっていたらしい。
胴元(海外のネットカジノ)が合法の国で悠々と営業しているのに、利用者だけ処罰するのはこの法律の趣旨に沿わないということなんだろうと思う。
ところがコロナパンデミックの数年でネットカジノに嵌る若者が増え、いわゆるトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)による強盗傷害事件が激増し流れが変わった。
実行犯の若者たちが闇バイトに応募した理由に、ネットカジノに嵌ったことで大きな借金を抱えたケースが稀ならずいたと言う。
現在は法律の本来の理念にとらわれず、ネットカジノ利用者を積極的に取り締まるように警察の方針が変わっている。