SEIKOのソーラー時計をオーバーホールに出した話 | kyupinの日記 気が向けば更新

SEIKOのソーラー時計をオーバーホールに出した話

機械式時計はオーバーホール周期が概ね決まっており、最もオーバーホール周期が長いメーカーは意外にもロレックスである。ロレックスは10年に1度のオーバーホールで良く、高級時計にしてはランニングコストが低いと言える。

 

ロレックスはここ20年ほどで定価が著しく値上がりしており、中古時計の相場も高く、資産とみなされる風もある。しかし、昔はドンキで並行輸入のサブマリーナが20〜30万で普通に買えたらしい。なお、ロレックスは高級時計ではあるが、雲上時計とは呼ばれていない。

 

3大雲上時計メーカーは、パテックフィリップ、オーデマピゲ、ヴァシュロンコンスタンタンとされている。5大雲上時計メーカーとなると、これにランゲ&ゾーネとブレゲが加わる。ランゲ&ゾーネは、3大雲上時計と遜色ないと思うが、第二次世界大戦後、東西ドイツに分かれたため、一時、空白の時代があったことにより最上位に入れられていない。

 

これらは実用時計と言うより芸術品的扱いであり、生産数が少ないのである。それに対してロレックスは実用時計の最高峰に位置しており、ジャンルが異なるとも言える。

 

 

直近の情報かは不明だが、パテックフィリップは全モデル合わせても年間6万本しか生産されていない。パテックフィリップの2次流通のノーチラスがなぜあれほどまで高価なのかと言うと、海外では日本のように専門のパテックフィリップのブティックがないことが関係している。

 

顧客が他のさほど人気のないメーカーのモデルを幾つか買うなど購入実績を作り、初めてノーチラスを案内されると言う、ある意味抱き合わせ商法のような状況があるかららしい。その顧客はパテックフィリップのノーチラスを手にれるため、欲しくもない他のメーカーの高級時計を買っているのである。最初の購入者も定価を超えたコストがかかっていると言える。

 

これはローレックス以外の高級時計メーカーの新品未使用品が2次流通に出てくる間接的な原因となっている。

 

 

オーデマピゲもパテックフィリップ同様、生産本数がかなり少ない。

 

 

それに対しロレックスは上に挙げた通り、おそらく年間100万本前後は生産されている。ロレックスの2次流通価格が新品価格より高価なことが多いのは、イメージ戦略や販売方法がうまいからと思う。普通、人気があるとは言え、あの中古価格を維持するのは容易ではない。一般に2次流通の商品は需要と供給のバランスで価格が決まるからである。

 

メーカーが推奨するオーバーホールの間隔は、パテックフィリップが5年、オーデマピゲ、ヴァシュロンコンスタンタンが3年から5年ほどである。

 

ロレックスがオーバーホール周期が10年としている理由は、精巧に製造されていることもあるが、実際、5年くらいに言ってしまうとあまりにも生産本数が多いため、オーバーホールをする技術者が足りないという話がある。

 

雲上時計のオーバーホール費用は半端なく高価であり、例えばパテックフィリップの複雑系、例えバーパーペチュアルカレンダーだと最低40万円くらいの予算になる。ポリッシュするなら別途6〜9万円くらいかかるらしい。それに対し、パテックフィリップでもノーチラスやアクアノートなどの3針時計は17万円くらいである。手巻き時計だともう少し安い。

 

パーペチュアルカレンダーとか言うと凄いと思うかもだが、一旦止まると自分で時計合わせするのも容易ではない。大都市だとまだ良いが、地方だとブティック自体がないので、たまに旅行した時に依頼するしかない。

 

このオーバーホールだが、大抵のユーザーは推奨通りにはしていないような気がする。高級時計と言われるメーカーはそれなりに費用が高いからである。なおグランドセイコーでさえ、3針で7万円前後、クロノグラフで12万円弱かかる。しかも推奨のオーバーホール間隔は3〜4年と高級時計にしては短い。

 

高級時計は持ち続けるだけだと固定資産税がかからないが、オーバーホールを全くしないと価値が激減するリスクがあると言える。オーバーホール費用は、車で言う車検のようなものだが、法的に義務ではないのが大きな相違である。

 

僕は最初2022年に初めて高級時計を購入した。

 

 

これを2年近くほぼ毎日、使用していたところ、小傷だらけになった。ケースごと落下させたのは2回。こう言う人はきっと高級時計の購入者に向かないんだと思う。生産本数限定品がこの有様だが、この使用頻度だと、どのようになろうとも元は取っているとも言える。

 

この多数の小傷を認識して以降、数本、分散して使ったらこうならなくないか?と思った。

 

また、もしかしたらロレックスはステンレスの品質が良いので金属アレルギーが出ないのでは?と思い始めた。その理由はロレックスのステンレスは、標準的なサージカルステンレスを超える品質だからである。サージカルステンレスで容易にアレルギーが出るようでは、今の時代、実用的ではない。

 

そこでデパートの外商担当を通して予約を取り、デパートのロレックスのブティックに行ってみたのである。一応、買っても良いと思っていたモデルは、GMTマスターのバッドマン、サブマリーナデイト、エクスプローラⅡホワイトの3モデルで、それ以外は買う気がなかった。

 

初めて行ったロレックスのブティックで案内されたのは、デイトジャスト41のグリーンダイアルだった。ところがスポーツモデルしか頭になかったので、やめておいた。デイトジャストなんて知らないモデルだったからである。結局、その日は何も買わずに帰ったのであった。後から知ったのだが、嫁さんが昔買ったコンビモデルのロレックスはデイトジャストだった。デイトジャストは生産本数がかなり多く、案内されやすいのであろう。

 

この日、ロレックスのブティックでは、希望のモデルやダイアルの色を選択することは難しいと感じた。しかも一旦買うと、購入履歴が世界中のロレックスのブティックのデータベースに登録されるため、気に入らず即売りするとその履歴が記録され、正規店で買えなくなる。こんな商売が成立して良いのか?という世界である。

 

と言うことは、正規店でダイヤルの色が気に入らないけどまあいっか、というノリで買うのはリスクが高い。

 

あと、ロレックスのショップは滅多に行けないので、どのようなモデルがあるかあらかじめ予習しておく必要があると思った。いきなりデイトジャストを出されても、よくわからないので買うかどうかの判断が難しいのである。

 

それから2〜3ヶ月後、ロレックスのスポーツモデルは正規店で今後も買えそうにないと思ったので、ロレックス以外でわりあい気に入っていたショパールのアルパインイーグル・ラージ、青ダイヤルを2次流通で購入した。以下のような時計だが、中古なのでこの価格よりずっと安い。

 

 

ところがである。購入した2日後くらいに、街の美容院に行く前、ちょこっとロレックスを見ようとブティックに寄った。既に開店していたため16人待ちとかであった。待ち時間がちょうど美容院が終わる頃だと思ったので、入店予約したのである。

 

ちょうど美容院が終わり、ブティックに徒歩で移動する時にちょうど電話がかかってきた。ブティックでは再びスポーツモデルを希望したが、やはり難しく、今度は青ダイヤルのデイトジャスト41を案内された。前回、グリーンモデルを拒否しているのに、よくもまあ同じデイトジャストを出してきたな、と思った。同時にこれは試されているのでは?と思ったのも確かである。

 

この日、2回目も断ると冷やかしと思われて、もはや全く案内されなくなるのでは?と思った。そこで、十分に気に入ったモデルではないが、青ダイヤルは悪くないのでデイトジャストだけど買うことにしたのである。

 

かくしてアルパインイーグルを買った2日後に、同じ青ダイヤルのデイトジャストを買うというバカみたいなことになってしまった。実際に使ってみると、アルパインイーグルより、デイトジャストの方が遥かに良い。

 

僕は朝起きた時と夕方で手首周りのサイズがかなり変わるようで、手動で細かいブレスレットのサイズ変更ができないアルパインイーグルは使いにくいのである。これは購入前には思いもよらないことであった。

 

あと、ロレックスはデイトのところにサイクロップレンズが付いており、あの風貌のもっこり感が気に入らなかったのだが、あの虫眼鏡がついている方が老眼が発生して以降は使い良いのである。サファイヤクリスタル風貌に虫眼鏡を貼り付けているらしく、ごく稀に取れてしまうこともあるという。またロレックスが特許を取得し、他のメーカーにない理由でもある。ロレックスのような高級時計を使っている年齢帯を考えると合理的だとも言える。デイトナにサイクロップレンズがないのは、デイトナにはデイトがないからである。

 

同じような時計が2つになったが、デイトジャストは売るとブラックリストに載るため、売るならアルパインイーグルである。そこで甥っ子に「アルパインイーグをプレゼントしても良い」と言った。売るより親戚にやる方がまだ良い。

 

ところがである。Apple Watchは欲しいが、アルパインイーグルは必要ないと言うのである。

 

機械式時計は、もはや年寄りの道楽になっているんだと思った。これは実は深刻な事態で、長期的に少子化が続き、機械式時計に興味がない人が多くなると、需要と供給のバランスが崩れ高級時計メーカーに大不況が訪れるかもしれない。これはバッグなどの高級ブランドと同様である。

 

青ダイヤルのデイトジャストだが、リエゾンに行った時、ある病棟の自動ドアが故障気味で開くのが遅れたため、購入1週間目にドアの金属部分で強打した。強打というが、あの強さの強打は滅多にない。年齢的に慣性で、すぐに止まれないのである。

 

よく見ると風貌はなんとか大丈夫だったが、ベゼルに打痕があり、ブティックの店員さんの話では、深さ的にポリッシュでは取れない打痕なんだそうである。ただしべセル交換は可能ということだったが、買って即ぶつけて打痕を作る人は、今後も更にぶつけると思うので、交換する意味はない。

 

この事件のために、デイトジャストが一気に使いやすくなったのも事実である。新品未使用状態より、打痕があった方が気にせず使える。そのような感覚なので、僕は中古品を買うことは気にならない。これは高級時計に限らず、ノートパソコンなどもそうである。

 

さて、嫁さんのデイトジャストは20年くらい前に購入し、オーバーホールに一度出しているのでそろそろだと思い、自分の青のデイトジャストを購入した際に2回目のオーバーホールを依頼した。

 

オーバーホール費用だが、オーバーホール基本料金85000円に加え、フィティング交換、リューズ交換もあり、消費税込み15万7000円だった。ポリッシュもかけてこの料金である。ポリッシュはかけた時は綺麗になるが、痩せるので評価が下がり、良くないと言う話である。嫁さんに言うと、売らないので無問題という話だった。

 

メーカーの格を度外視すると、IWCが好きでその後、パイロットウォッチのマーク20を中古で購入した。デイトジャストの打痕以降は、デイトジャスト、マーク20、セイコーのソーラーウォッチを交互に使っていたのある。

 

一方、グランドセイコーは全然使わなくなった。グランドセイコーはダイヤルはとても美しいが、クロノグラフとは言えあの厚さはない。また、うまく表現できないが高級時計らしい色気のようなものが欠けている。僕にとっての唯一最大のメリットは海外の高級時計に比べチタン製が多いことである。

 

嫁さんのロレックスをオーバーホールに出した時、10年以上前に購入したセイコーのソーラー時計をオーバーホールに出していないこと気づいた。このソーラー時計は11万円くらいで購入し、グランドセイコーを購入するまでずっと使い続けていた。セイコーブランドに後継機は今もあるが、僕の時計の方がデザイン的に美しい。

 

しかし、ある年、海外旅行に行った際、電波時計ので時差を自動で合わせようとしたところ、途中で停止してしまい、手動で合わせざるを得なかった。ソーラー&電波時計は手動で時刻を合わせるようでは寿命と言える。

 

いくつか高級時計を購入して分かったことは、高級時計はブレスレットの仕上げが丁寧で、良く出来ていることである。

 

その視点だと、セイコーのソーラー時計はブレスレットがとても良いのである。高級時計で重視している点は、有用性以外では、ブレスレットの造りと本体の軽さと薄さである。

 

セイコーのソーラー時計はそう厚くないし、ブレスレットもまあまあ良いし、チタン製なので軽いのが良い。重い時計はそれだけで悪である。

 

精神科医にとって、腕時計の役物の有用性は、順にデイト、秒針、視認性、おまけがムーンフェイズだと思う。腕時計にムーンフェイズが付いていると、精神疾患の理解が深まる。(謎)

 

 

そして、その古いセイコーのソーラー時計をオーバーホールに出し、その費用を払うことが見合うのか、グランドセイコーのブティックで聴いてみた。すると店員さんから「その時計に対する思い入れでしょう」と言われたため、即決断し、オーバーホールに出すことにしたのである。まさか11万円の時計に8万とか取られないのではないかと思ったのもある。

 

オーバーホール費用は結局24000円と消費税であった。明細をよく見ると経年劣化のためムーブメントが交換されており、内部が総替えされた感じになった。ポリッシュはかけていないので小傷はそのままである。古いソーラー&電波時計なので、近年の同じ仕様の時計に比べ、パワーリザーブが長くないものの3日ほどは動く。現在のソーラー時計は半年くらいパワーリザーブがあるので、かなり差がある。

 

 

高級時計を買うまで時計の耐磁性能という概念が頭になかった。医療系に従事する人は耐磁性能が高い方が良いのである。ロレックスで言えばミルガウスなどである(今は廃版)。パイロットウォッチのマーク20を購入した理由もそれを考慮している。耐磁性能が高い時計は重くなるのが難点であるが、マーク20はそれほど重くないし、かなり薄い仕様になっている。ミルガウスを買わなかった理由は、あまり軽くなかったからである。

 

パイロットウォッチは、コックピット内の高い磁場で使用しても機能が損なわれない仕様になっているのである。マーク20は耐磁性能をも持つ割にかなり薄く、パワーリザーブが120時間もあり、手動で簡単にジュビリーブレスレットが外せる。僕は軽い時計が好きなので、natoタイプのストラップに交換して使っている。

 

結局、今は1週間のうちに5日ほどはソーラー時計を使用し、それ以外はマーク20かデイトジャストかムーンフェイズの時計を使っている。なお、デイトジャストは夏場、ステンレスブレスの手首接触部分がかぶれるようになり、おそらくアレルギーではないと思うが、使用頻度を減らす方が良いと思った。そして、かぶれ防止のためにnatoストラップに交換しようとしたが、どうしてもできなかったため、あまり使わなくなった。

 

このようなことを考えるに、僕は実用性を重視しており、アルパインイーグルは必要ないと言う甥っ子の感性にむしろ近い。そもそも、打痕がついてかえって使いやすくなったとか言っている人である。

 

今のApple Watchは、なんとSPO2が測定できるのである。睡眠時無呼吸症候群の発症をある程度は予測できるほどの仕様である。

 

僕は長く使用していたソーラー時計をオーバーホールに出し、中が新品になったことに結構満足している。

 

きっと僕に最も合う時計は、Apple Watchか、カシオのGショックだと思う。

 

参考