新型コロナとツムラの漢方薬の話 | kyupinの日記 気が向けば更新

新型コロナとツムラの漢方薬の話

ツムラの漢方薬は、風邪、上気道炎、気管支炎に有効なものがいくつかある。代表的なものを挙げてみる。以下の過去ログも参照。

 

 

1、ツムラ葛根湯(ツムラ1)

風邪薬の定番。頭痛、発汗、悪寒などに処方される。肩こりや神経痛にも有効。

 

2、小青竜湯(ツムラ19)

アレルギー性鼻炎によく処方される。

 

3、麦門冬湯(ツムラ29)

痰の切れにくい席、気管支炎、気管支喘息に処方される。

 

4、麻黄湯(ツムラ27)

悪寒、発熱、頭痛、腰痛。感冒、初期インフルエンザ。その他、関節リウマチなど。

 

5、桔梗湯(ツムラ138)

咽喉の腫れ、疼痛。扁桃炎、扁桃周囲炎に処方される。新型コロナ感染症は、水も飲めないほど喉が痛い人もおり、この漢方が処方されたようである。アルドステロン症、ミオパチー、低カリウム血症の人は禁忌。

 

6、小柴胡湯加桔梗石膏(ツムラ109)

効能効果は桔梗湯とほぼ同じ。今回のコロナ禍で、桔梗湯より小柴胡湯加桔梗石膏の方がより効くことが判明。

 

新型コロナパンデミックの際、風邪症状に有効な漢方薬の需要が爆発的に増した。その際、ツムラは生産ラインをこれらの漢方薬に動員したため、風邪と関係がないか薄い漢方薬の生産量が減り納入が難しい時期が続いたのである。

 

特にうちの病院では防風通聖散(ツムラ62)が不足する事態になった。防風通聖散は、一般に便秘に処方される。やせ薬としても人気が高いため、全国的にはそこそこ処方される漢方薬である。実際、効能効果には、肥満症、むくみが挙げられている。

 

今回、ツムラ防風通聖散を購入できない時期、クラシエやオースギの防風通聖散に変更して処方してみたところ、ツムラに比べオースギの防風通聖散の方が、便秘に関してはより効くことがわかった。患者さんがそう言っていたからである。

 

ツムラの国内の工場は茨城県と静岡県にあるらしく、2011年の東北地方太平洋沖地震の際には茨城県の工場が被災して、いくつかの漢方薬が不足する事態になった。

 

 

新型コロナパンデミックは貿易にも支障をきたすため、生薬が足りないのでは?という話もあったが、ツムラは2年分の生薬を準備しているらしい。だから、需要の高い漢方薬を優先しただけなのである。

 

その他、比較的需要の多い八味地黄丸(ツムラ7)、柴胡加竜骨牡蛎湯(ツムラ12)なども一時生産調整されていた。最近はかなり生産調整が解除されつつある。

 

ごく最近、再び新型コロナ患者は増加傾向にある。特に沖縄県。新型コロナは前回のピーク時に比べ決して軽くはなっていないので少し心配している。精神科病院でも職員や患者さんに感染者がチラホラ出てきており、増加しているのは間違いない。再び、一部の漢方薬の納入が難しくなるかもしれない。

 

 

現在、国内で漢方薬の売り上げが多いものを5つ挙げると(順位は間違っているかも)、以下のようになっている。

 

1、大建中湯(ツムラ100)

術後に処方される緩やかな効果の下剤。15gなので量が多くなる。

 

2、芍薬甘草湯(ツムラ68)

こむら返りに有効。効果が高いが、アルドステロン症、ミオパチー、低カリウム血症の人は禁忌。

 

3、葛根湯(ツムラ1)

 

4、抑肝散(ツムラ54)

不眠の薬だが、認知症や発達障害の不穏にも処方されることがある。そのようなこともあり、需要が高い。

 

5、補中益気湯(ツムラ41)

代表的な補剤。

 

参考)