子供と漢方薬の話 | kyupinの日記 気が向けば更新

子供と漢方薬の話

今日は昨日の記事の続き。

 

漢方薬が好きな人は問題ないが、独特な臭いや舌触りを嫌う人はけっこういる。子供は平均して漢方が苦手な子が多い。例えば、漢方ではないが正露丸の臭いや味もそうである。このような舌触りが嫌以外に、感覚の過敏性が高いことはASD的所見だと思う。例えば、

 

〇偏食が酷い。

〇魚、卵、特定の野菜、果物など匂いのきついものを嫌う。

〇親子丼など舌触りや食感の異なるものが混ざっている料理が食べられない。

 

などである。

 

精神科で処方される抑肝散(ツムラ54)は高齢者の認知症に使われるが、ASDの子供に合えば癇癪などが改善することがある。これで効くなら、リスパダールを処方されるより遥かに良い。なお、抑肝散は本来は不眠の薬である。

 

ツムラ54をASDの子供に使う時の最大の障壁が、漢方薬の独特な舌触りと臭いである。特にASDの子供は漢方を嫌がることが稀ならずある。

 

短い期間にASDやADHDの子供たちを立て続けに3人新患で診たことがあった。彼らはいずれも治療は順調だった。彼らのうち1人は既に児童思春期専門の精神科医にかかっていたが、あまりにも治療に柔軟さがなかった。

 

ASDに正式に適応を持つ抗精神病薬は3つしかない。リスパダール、エビリファイ、オーラップである。ただし、今はオーラップは今は製造中止になっているので実質2剤である。この2つで何とかしようとするから妙なことになるのである。

 

ある子どもは深夜に警察官に同伴されてやってきた。あまりに興奮が強く、リスパダールを投与されていたが明らかに合っていなかった。リスパダールは必要ないと思ったのですぐに中止した。その子の場合、エビリファイも合いそうになかった。

 

今はその子供は不登校も改善し、コロナ自粛の後も出席できている(初診までは登校どころではかった)。

 

今回、コロナ自粛で思ったが、ASD、ADHD系の子供は、家でパソコンやタブレットで勉強することにかなり適応できることがある。コロナ自粛の後、新学期になったのは良いが、6時限まであるので、この子たちに辛い。カリキュラム的に厳しい状態になっているのであった。その子はなんと先生と交渉し、きつい日は4時限までで帰って良いようになったようである。

 

子供たちを診察して思うことは、子供の病状が改善すると、100%母親の精神症状も改善する。子供が学校に行くようになるか、行けないまでも精神症状が穏やかになることで、母親が仕事に行けるようになるとか、不眠が改善するなど、良い影響が母親にも及ぶのである。たいてい、母親の向精神薬が必要でなくなる(この薬は僕が処方していたわけではない)

 

母親の治療をして子供へ好影響を及ぼすケースもあると思うが、子供から親の方が遥かに影響力が大きいのである。