ポリヴェーガル理論で解明!「わかっているのに動けない」理由 | 人が前に進めないとき、何を扱うか|支援者のためのBMS・心身相関アプローチ

人が前に進めないとき、何を扱うか|支援者のためのBMS・心身相関アプローチ

東京藝大卒・元ソニーミュージックディレクターの皆川公美子が届ける、女性リーダーのための「神経系アップデート」。最先端の神経科学と愛着理論から、脳の過緊張(食いしばり)を解放し圧倒的な器を創ります。

HSP・対人支援者のための、神経系から整えるボディマインドアプローチ。
皆川公美子です。

 

「なぜ、わかっているのに変わらないのか」
「なぜ、関わっても同じところで止まるのか」

──その“詰まり”を
神経系 × 発達・愛着の視点から読み解き、
人が機能する状態へと戻すサポートをしています。

これまでに、のべ8,500名以上の方に伴走。

人を支える仕事に携わる方や
対人支援・マネジメントの現場で
「あと一段、精度を上げたい」と感じている方に向けて
実践的な視点をお届けしています。

 

****************

 

「やればいいのに」


そう思うこと、ありませんか?

 

・わかっているのに動けない
・やった方がいいのに先延ばしする
・決めたのに続かない

 

頭では、全部わかっているのに
なぜか進まない。

これ、意志の問題ではありません。

その人の性格的なものでもありません。

 


 

 

 「やりたい」と言った直後に起きていること

 

たとえばセッションの中で

こんな場面があります。

 

クライアントさんが、ぽつりと

 

「…ほんとは、◯◯だといいと思うんですよね」

 

と言う。

 

手を伸ばしてもいいと知っている。
自分の人生は自分で好きな方向へ行っていいと知っている。

 

でも

その“やりたい”は

はっきりした決意ではなくて
どこか探るような
自分の中にそれがあるかどうかを
確かめるみたいな言い方で

でも、確かにそこには
前に動こうとするものがある。

 

こちらがそれを受け取って
少しだけ言葉を添えて

「◯◯と思っておられるんですね」とそのまま返した瞬間

ちょっとだけ
空気が変わります。
 

身体がほんの少し固くなる
目線が少しズレる
呼吸がほんのちょっと浅くなる
 

 

そして、少しして

 

「……でもなあ」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

もちろんわたしはそのまま待ちます。
クライアントさんが言葉を探している。

きっとこの「でもなあ」の中には

うまくいかなかった記憶
誰かの顔
自分を止めてきた感覚

いろんなものが、いっきに立ち上がっているんです。

そしてそれは鮮明な記憶であることもあれば
(会社の上司に怒られている場面など)

そうじゃない場合もあります。

ええ、そうじゃない場合=エピソード記憶じゃない場合のほうが
実は圧倒的に多いです。

身体がきゅっと反応しているだけで
ご本人は「なんと言えばいいのかわからない」


 

そして、さっきまであった「やりたいですけど」の活力のようなものが
すーっと引いていく。

 

言葉としては説明されないまま
話題が少しずれていきます。

「そういえば」
「以前にこんなことあって」
 

内側では確かに

動こうとした「なにかのわくわく」や
「活力」が
知らないうちに止められている。

すご〜〜〜くあるあるの状態です。

クライアントさんの意思が弱いのでも
その人の性格だから、でもありません。
 

 

 「軽く笑って流す」ときに起きていること

 

もう一つ、よくある場面。

自分のこれまでを話されて
少しだけ深いところに触れたあと

クライアントさんがこう言う。

 

「なんか…こういうこと考えてる自分、

めんどくさいですよね」

 

少し笑いながら
軽く流すように。

 

でもこの“めんどくさい”の奥には

 

・こんなこと考えても仕方ない
・これ以上触れると何かが崩れる
・暗い雰囲気にしちゃってあなたに迷惑かかりましたよね

 

そんな感覚が重なっている。

さっきまで触れていたものから
自分で少し距離を取って
元の位置に戻ろうとする動き。

場が流れていくことを
自分が堰き止めている、
それをやめようとする動き。

 

 

 人は「できない」のではなく

 

だから人は

できないのではなく

「そこに、とどまれない」

だけなんです。

 

ネガティブな気持ちじゃいけない
とずっと教育されているから。

 

 

特に日本では
「ご迷惑」は「大罪」ですもんね。

いいんですよ、相談の場は
相談する場ですから。
なにも迷惑じゃないです。

なんてアタマではわかっているけど
身体が反応しちゃうんです。

支援者とは葛藤を扱う訓練を受けているもののことです。
気分じゃないですよね、
技術を提供して、クライアントさんに楽になってもらう場ですから。

わかってますよねそんなこと。
でも身体が反応してせきとめちゃうんです。


 

 問題は“意志”ではなく“状態”

 

緊張が強すぎるとき
エネルギーが落ちすぎているとき
まわりを感じすぎているとき

どれだけ正しいことを考えても
身体は動きません。

だから私は

どうやって頑張るかではなく
「どの状態でそれをやっているか」を見ます。

 

 

 支援の質が変わるポイント

 

特に

人を支える仕事をしている方ほど

「なぜここで止まるんだろう」と
感じる場面に出会うと思います。

 

そのときに

関わり方だけを工夫しても
限界が来ることがあります。

必要なのは

正しい関わり方の前に

「今、この人はどの神経系の状態にいるのか」

を見立てること。

クライアントさんが何を守って
何を大切にしてきたのか。

そこに気づいていただく技術です。

 

 

 この“止まる瞬間”が分かれ道

 

この“でもなあ”が出る瞬間を
どう扱うかで

セッションの“深さ”が変わります。

 

ここが変わると
見えるものも、関わり方も
一段変わります。

(このあたり、また少しずつ書いていきますね)

 

お読みいただきありがとうございます。

 

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