HSP・対人支援者のための、神経系から整えるボディマインドアプローチ。
皆川公美子です。
「がんばりすぎて、疲れを感じにくい」
「特に心配ごとはないのに、なぜか力が出ない」
──そんな心と身体の“ちぐはぐ”を、
神経系×発達・愛着 の視点から、
丁寧にひもとく活動をしています。
これまでに、のべ8,500名以上の方に伴走してきました。
HSP気質や生きづらさを抱える方、
そして人を支えるお仕事に携わる方が、
自分のペースで安心して前に進めるサポートをしています。
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このシリーズでは、対人支援の現場でよく起きる「支援者の理解」を、
神経系の視点から見るとどうなる。という記事です。
「この環境(この仕事)、わたしに合っていないのでは?」
それは本当にそこが問題なのか
〜社会のなかの“あるある”〜
対人支援の現場で、よくある相談があります。
(※以下は架空事例です)
ある方が、新しい職場で働き始めました。
福祉の現場。
子どもたちやスタッフが多く、にぎやかな環境です。
最初はなんとかやっていました。
でも、しばらくすると
こんな変化が出てきました。
・現場にいると耳鳴りがする
・呼吸が浅くなる
・周りの声がとても大きく感じる
・会話のスピードについていけない
ある日、ふと鏡に映った自分を見て
びっくりしたそうです。
「能面みたいな無表情だったんです」
そして最後にこう言いました。
「この仕事、私には向いていないのかもしれません」
こういう相談を聞くと
多くの支援者はこう考えるかもしれません。
・環境が合っていない
・感受性が高い人には刺激が強すぎる
・仕事を変えた方がいいのでは
もちろん
それが正しい場合もあります。
でもちょっと待って、
身体の神経系の状態という視点から見ると
少し違う可能性も見えてきます。
このような反応は、
神経系の防衛反応として
起きていることが多いからです。
子どもの声
速い会話
情報量の多い環境
こうした大きな外部刺激が続き
神経のキャパを越えると
身体は自然に
「今は少し守りに入ろう」
「休息モードが必要」
というスイッチを入れます。
これは
弱さでも
適性の欠如でもありません。
神経が状況に適応しようとしている反応です。
ここで支援者が気をつけたいのは、
この反応をすぐに
・思考や意志の問題
(がんばれないのね)
・性格の問題
(こういうタイプは合わないかもね)
・環境ミスマッチ
(向いてないんじゃない?)
として処理してしまうことです。
本当はここに
その方にとって
とても大切な入り口があります。
身体がサイレンを鳴らしているとき
必要なのは
「環境を変えるかどうか」を
急いで決めることよりも
まず
神経のバケツがいま、どんな状態か――
つまり
神経が何をどれくらい感じていて
どのくらい“空きスペース(余裕)”が残っているのかを
ていねいに理解すること
です。
神経キャパのバケツが
すでに水でいっぱいだったり、
ちょっと触れただけでこぼれるくらいパンパンだと、
本当は「少し休めば大丈夫」な状況でも
「もう耐えられない! 今すぐ全部やめたい!」という
極端な選択だけが正解のように感じてしまいます。
(ちなみに私は、
神経サイレンが強く、バケツがあふれかけているときに
すぐ転職などの大きな決断をすることは
あまりおすすめしていません。
先に、呼吸や身体感覚を通じて
「神経バケツの水位を少し下げる」=
身体とのつながりを再構築した方が、
その人自身が早く落ち着くことが多いからです。
仕事でも生活でも。)
そしてもうひとつ
大事なことがあります。
神経の調整は
「一人で頑張ること」では
なかなか起きません。
安心できる人や場の中で
「大丈夫だった」「安心だった」
という身体経験を
少しずつ重ねることで
神経の再構築が始まります。
わたしたちは哺乳類であり
動物なので
身体的なつながり感が大事なんです。
(それを証明したのがポリヴェーガル理論です。
腹側迷走神経複合体 っていう副交感神経が
哺乳類同士のつながりを感知する神経だと
わかったんです。)
ここには
発達のプロセスも関係してきます。
対人支援の現場では
問題の内容よりも先に
その人の神経がどんな状態にあるのか
そこを見る視点が
とても大切になります。
「向いていないのでは?」と思ったとき、
次にどんな質問を繰り出しますか?
本当は身体が何を伝えようとしているのか。
そこに耳を澄ませる支援が、これからとても大切になると思っています。
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