ポジティブシンキングな人が急に折れるわけ〜それは当然の結果なのです | 頭で悩むより、神経系から整える。人と心がもっと愛おしくなる話

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人が前に進めないとき、身体と神経系では何が起きているのか?東京藝大卒・元ソニーミュージックディレクターの皆川公美子が、独自の「BMS(心身相関)」視点で人の心と感性の世界をマニアックに紐解く探求ブログです。

・国家資格キャリアコンサルタント・Gallup認定ストレングスコーチ

・TRE(トラウマ&テンション・リリース・エクササイズ)国際認定アドバンスプロバイダー

・自我状態セラピー(パーツ心理学)セラピスト 

 

人の可能性を束縛するライフブロック(生きづらさ)から解き放つ!

皆川公美子です。

これまでにのべ7,600名ほどの方のご相談を伺ってきました。


今日は

ポジティブシンキングな人が急に折れるわけ〜について書いてみようと思います。
 

「ポジティブにいれば、人生はうまくいく」。
よく聞く言葉ですよね。
実際願望に対して

明るい気持ちを持っていた方が叶いやすいと思いますし、自己啓発本やSNSでも「ポジティブシンキング」の素晴らしさが強調されていますね!

でも、いつも明るく前向きに見える人が、ある日突然「心が折れてしまった」ように見えることがあります。
「あんなに元気だったのに、どうして?」と驚いた経験はありませんか?

わたしも過去にあります。

とてもポジティブで前向きな言葉で

やり取りされるご夫婦がいました。
そのご夫婦と対面してお話ししていたときに
奥さまが「でもあの人、ちょっとね」的な感じで
話の端にそんな言葉を言ったことがあったんです。

その瞬間
ダンナ様がすかさず
「そんなこと言うの?!」と厳しく眉をしかめられた。

ぴしゃり。と制したという感じでした。

それはほんの2〜3秒のできごとでした。

でもとても違和感のある、

印象に残る出来事でした。
わたしは「え?そのくらいの憂さ晴らし、夫婦なんだし別によくない?」とほんのちょっと思いましたが
もちろん口には出しませんでした。

のちに奥さまが元気がなくて外出ができなくなってることを聞いて
あの【ウルトラポジティブしか許されない感じ】が四六時中続くのじゃ、
しんどいなあ〜

もちろん
それが原因かはわからないけど。。と思っていたことがありました。

日常において

ちょっとした感情の発散は
とても大事なことです。


実は、これには神経生理学的な理由があるんです。感情のメカニズムを知ると、「ああ、だからなんだ」と納得できるかもしれません。

 

 

 

 ポジティヴでい続けることの見えないプレッシャー

 

 

ポジティブでいることは、とても素晴らしい姿勢です。
でも、それが「ネガティブな感情を感じてはいけない」

「常に明るく振る舞わなければならない」という形で、
自分自身にプレッシャーをかけてしまうこともあります。

 

私たちの感情は、自律神経系を通じて体と心に深く関わっています。
特に、ポリヴェーガル理論という考え方では、

「交感神経(戦う・逃げるモード)」と

「副交感神経(リラックス・回復モード)」のバランスが重要だと説明されます。

感情を無理に抑え込むと、このバランスが崩れてしまい、体にも心にも負荷がかかるのです。
 

 

 感情からの解離とは?

 

感情を抑え続けると、私たちは「感情からの解離」と呼ばれる状態になることがあります。

これは、辛い感情に触れることを避けるために働く、心の防御機能です。

災害などのニュースで被害に遭われた方がテレビでインタビューされていることがあります。
家を失い、これからの生活がまるで想像できないような方が
自分の生活のことを他人事のように
「まあ、これからたいへんでしょうね」などと
なんだったら少し微笑みながら

説明しているのを聞いたことがありますか?

 

「その状況で、どうして微笑んでいられるの?」という時です。

人はあまりにツライことや
直視できないようなことに出会うと
感情を解離して生き延びるのです。

自分の辛い悲しさには
触れないように
感じないようにするというわけです。

いじめに遭っている子が
笑顔でいたり



暴行事件に遭った人が
平気な顔をしていたり

ふられたときに
平気そうな顔で
なんでもなかったことのように
振る舞ってしまうのも同じこと。
 

 

 

 

それを続けていると

表面的には「平気そう」に見えますが、
日常的に、実際には感情を感じる力そのものが鈍っていきます。

たとえば…

  • 悲しさを感じる場面で、「大丈夫、頑張れば乗り越えられる」と自分に言い聞かせる。
     
  • 怒りを覚えたときに、「でも、私は感謝しなきゃ」と無理やりポジティブに振る舞う。

などもその例です。

一時的にはこれでストレスを和らげられるかもしれませんが、長い目で見ると、抑え込まれた感情は心の奥深くに溜まり続けます。

 

そして、この「解離」が続くと、次に起こりがちなのが「シャットダウン」です。

 

 

 

 シャットダウンのメカニズム

 

シャットダウンとは、心が負担に耐えきれなくなり、機能を「一時停止」するような状態です。
ブレイカーが落ちたような状態、と説明することもあります。

ポリヴェーガル理論では、この状態は副交感神経系のうち、古い迷走神経系(背側迷走神経複合体)が優位になった結果だと考えられています。

シャットダウンの特徴は次のようなものです:

  • エネルギーが湧かない: 何をするにも気力が出ず、体が重たく感じる。
  • 感情の麻痺: 嬉しさも悲しさも感じられず、心が空っぽに思える。
  • 人との関わりを避けたくなる: 他人と会話すること自体が億劫になる。

 

ポジティブシンキングを続けていた人が突然折れてしまう背景には、

この「シャットダウン」が隠れていることが多いのです。

 

無理に押し込めていた感情が、神経系の限界を超えた結果、心と体がエネルギー切れを起こしてしまうのです。

 

 

 
ポジティブもネガティブも「感じる」ことが大切

 

では、どうすればよいのでしょう?


その鍵は、ポジティブもネガティブも両方の感情を「感じること」を自分に許すことです。

 

感情には良いも悪いもなく、どれも自分の一部としてジャッジせずに受け止めることが
とてもとても大切です。

 

具体的には:

  • 悲しいときには、「私は今、悲しいんだわ」とその感情を口に出してみる。
    できれば身体のどこにその感情があるのかわかってあげる。
     
  • 誰か信頼できる人に、ネガティブな気持ちをそのまま話してみる。
    ジャッジなしでただ、聞いてもらう。

    などです。

こうした行動は、自律神経のバランスを整え、感情を健康的に処理する助けになります。

 

 おわりに

 

ポジティブシンキングそのものが悪いわけではありません。

 

ただ、それが「ネガティブな感情を否定する手段」になってしまうと、結果的に自分を追い込んでしまう。

アファメーションなども
使い方によってはかえって感情を抑圧する仕組みになってしまうことも
クライアントさんからはよく聞きます。
 

感情は押し込めるものではなく、湧き上がったものを素直に感じて流してあげるもの。
感情はエネルギーですので
形はかわるのです。

ポジティブもネガティブも、どちらも自分を形作る大切な一部です。


その両方を受け入れることで、心も体ももっと軽やかになれます。

 

「折れない心」とは、常に一本調子でポジティブでいることではなく、
自分の中にあるすべての感情と向き合い、バランスをとることから生まれるものなのかもしれませんね。

 



今日もお読みいただきありがとうございます。

 

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