感情の扱い方で支援が変わる!対人支援家の感情学入門 | 頭で悩むより、神経系から整える。人と心がもっと愛おしくなる話

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人が前に進めないとき、身体と神経系では何が起きているのか?東京藝大卒・元ソニーミュージックディレクターの皆川公美子が、独自の「BMS(心身相関)」視点で人の心と感性の世界をマニアックに紐解く探求ブログです。

・国家資格キャリアコンサルタント・Gallup認定ストレングスコーチ

・TRE(トラウマ&テンション・リリース・エクササイズ)国際認定アドバンスプロバイダー

・自我状態セラピー(パーツ心理学)セラピスト 

 

人の可能性を束縛するライフブロック(生きづらさ)から解き放つ!

皆川公美子です。

これまでにのべ7,600名ほどの方のご相談を伺ってきました。

 

今日は感情の扱いです。
「問題解決はこれ」「あなたの答えはこれだ!」だけだと
クライアントさんはなかなか安心して自分の成長を委ねることができなくなります。

リピートをとるためにやるのではないけれど
結果的にリピートをいただける=結果の出るサポートができる
というのがここの感情扱い問題かもしれません。

感情は、人間関係や対人支援において非常に重要な役割を果たします。
感情がすべてといってもいいくらい
わたしたち人間は感情に左右されて行動していますよね。

マーケティング心理では
「消費者は、実は論理やスペックよりも感情的なものを購買のスイッチとしている」というのはよく言われることですし、

となりのおじさんが
「おたくの自転車の置き方」について「ここには置かないでほしいんだ」ということを伝えられる時も
にっこりと雑談しながら言われるのと(→あら〜悪かったごめんね、という気持ちになるよね)
イライラした口調で言われるのでは(→こっちもイライラする、失礼な人ね!なんて気持ちがわく)
ぜんぜん印象が違いますね。

支援家として活動する中で、クライアントの感情を的確に理解し、

それに寄り添うスキルは欠かせません。

 

しかし、感情は時に扱いづらくて、延々とクライアントのナラティヴ(その人が持っているストーリー)に
寄り添っていると、かえって感情を昂らせてしまったり
逆に支援家自身が感情に振り回されることもあります。

この記事では、感情を適切に扱うための基礎知識と実践方法をご紹介します。

 

1. 感情の役割を理解する

感情は単なる「心の動き」ではなく、人間の行動や思考を大きく左右する力を持っています。

  • サインとしての感情
     感情は、私たちが何を大切にしているのか、何に脅威を感じているのかを教えてくれます。
    たとえば、悲しみは「失ったものがある」というサインで、そのもうすこし表層にある怒りは「何かが侵害された」というサインです。自分を守らなければ!という防衛が怒りです。
     
  • 行動を促す感情
     感情は行動の原動力となります。恐怖が危険から逃げる行動を促し、喜びが人とのつながりや前進GOを
    深める行動を引き出します。


対人支援の現場では、感情の背景にあるクライアントの価値観やニーズを理解することが重要です。
それを読み解く力を育てることで、支援の質が大きく向上します。

目の前に座っている方は、その言葉のうらで
何を失い、なにに困惑し、何の怒りを抑えているのでしょう。

理解したいからご本人のテンポで話していただきつつ
こちらの情報収集も行います。


例えば・・・

 

職場問題

「職場で周りの人が冷たく感じます。話しかけてもそっけない返事ばかりで、自分はここに必要とされていないんじゃないかと感じます。」と言ったといます。

ここから何を読み取りますか?

孤立感や不安は直接的に伝わってきますよね。
その奥に自己否定があるのが読み取れるでしょうか。

ほんとうに意図的にまわりが冷たく接しているのか、
まわりの人は本当はそんなこと思ってもみないのか、
実はわかりません。

クライアントの受け取り方が言葉となって紡がれています。まわりの人たちがそんなに温かい人でなかったとしても
「まわりの人の態度を見て、必要とされていない」と感じる人もいれば
「みんな忙しそう〜余裕ないのだな」と気にも留めない人もいればいろいろです。

このクライアントは「職場でのつながり」や「認められること」を大切にしていますね。冷たく感じる態度が、自分が不要だというメッセージに聞こえ、深い不安を引き起こしている可能性があります。

 

子育て

「子どもが学校でトラブルを起こしてばかりで、先生からもよく連絡が来るんです。私の育て方が悪かったのかなと毎日反省しています。」

ここから何が読み取れますか?
罪悪感、不安が直接的な感情の表層ですよね。
そして誰もあなたのせいだとは言っていないけれどもこのお母さん(またはお父さん)には「自己否定」がわいてきています。
「子どもの幸せ」を大事に思う、そのうえに「親としての責任」を非常に重視していますね。
トラブルが続くことで、自分が親として失敗しているという感覚に苛まれている可能性があります。

 

 

将来への不安

「このまま今の仕事を続けていて、何か得られるんでしょうか?いつも同じことの繰り返しで、自分が成長している感じが全然しません。」


こちらはどうでしょう。
なんだか焦りが感じられませんか?

このクライアントは「成長」や「意味のある仕事」を過剰に大切にしている可能性があります。いやもちろん成長というのはいいことですし、前進できることは人生の満足なのでいいのですが、あまりに渇望が大きいときはどのような両親の「人生訓」があったのか、対話してみたいですね。
現状に満足できておらず、未来への道筋が見えないことが不安の原因になっています。
それがいつもいつも起こって、何をしてもどこにいても渇望している人生だと苦しいですね。

人間はそこにいて、幸せに暮らすだけでもいいんだ
誰かの役にたたなければいちゃいけないってことでも、成長がなければダメってことでもないことを
少しだけ思考のなかに入れ込めると楽かもしれませんね。

(そこに対人支援家のスキルと腕が必要です)

 

2. 支援家としての感情の扱い方

クライアントの感情に寄り添う

クライアントが感情を表現したとき、それを受け止め、共感することが支援の第一歩です。

でも、感情に寄り添うことと感情に飲み込まれることは違います。以下のポイントを意識しましょう。

  • 感情をラベル付けする
     クライアントの感情を言葉にしてフィードバックします。たとえば、「それは本当に悲しい出来事ですね」と表現することで、クライアントは自分の感情をより明確に理解できます。

    職場問題のほうでは「ご不安ですよね」と言ってみるとなんと返ってくるでしょうか。
    クライアントが「自分は不安なんだ」と気づくか、または「いや、不安とかじゃなくてこの環境が・・・」と外側のほうに
    意識を向けるかもしれません。
     
  • 評価せずに聞く
     クライアントの感情に対して「そうじゃない(この場合だと周りが冷たいのじゃない)」と決めつけたり評価するのではなく、そのまま受け止めます。「あなたがそう感じているのですね」という姿勢が重要です。

自分の感情を管理する

支援家自身が感情に振り回されてしまうと、冷静な判断や適切な支援が難しくなります。
ここがむずかしいところ。
クライアントも人間ですので、共感するチャンネルを持っているということは
トリガー引き金となる感覚も持ち合わせているということ。

  • 自分の感情をモニタリングする
     セッション中に自分の体や心にどのような反応が起きているかを観察しましょう。
    「今、少し焦っているのだな」「ああ、わたしも悲しみを感じているんだ」と気づくだけで、感情に引きずられにくくなります。
     
  • リセットの時間を持つ
     セッションの後に数分間深呼吸をする、静かな場所で過ごすなどして、感情をリセットする時間を設けることも有効です。

感情に巻き込まれた自分が未熟だ、という考えが浮かんできたらちょっと待ってください。
防衛反応の名残なのでそこに批判的になるのではなく、ああ、自分にはそういうところがあるね、と優しい目で見つめてあげることです。
甘やかしではなくて、癒しです。



もう少し説明させてください。

3. 感情に向き合う3つのステップ

感情を適切に扱うために、以下の3つのステップを意識してみてください。

ステップ1: 感情を受け止める

まず、感情を否定せずに「今ここにあるもの」として認識します。たとえば、「怒りを感じる自分はダメだ」と思うのではなく、「怒りが湧いているんだ」と事実として受け止めます。健やかな状態へ戻ればいいだけ。それが技能です。
 

ステップ2: 感情を整理する

感情の背景にある出来事や自分の価値観を振り返ります。たとえば、「なにかが過去にあったのかな」と問いかけることで、その原因や自分にとって大切なものが見えてきます。エピソードとしては覚えていないことのほうが多いです。
そういうときにはソマティック(身体の記憶)を扱ったほうが早いです。

 

ステップ3: 感情を適切に表現する

最後に、感情を表現するのもいいですね。
言葉にする、ノートに書く、アートや音楽で表現するなど、自分に合った方法を選びましょう。

音楽鑑賞やヨガ、ダンス、という人もいますね。



 

4. 感情を扱う力が支援を変える

感情を扱う力は、単に支援家としてのスキルを向上させるだけでなく、クライアントとの信頼関係を深める大きな要因となります。クライアントが「この人は自分を理解してくれる」と感じたとき、安心感が生まれ、セッションの効果が高まります。

さらに、支援家自身が感情を上手に管理できることで、より長く、安定した形で活動を続けることが可能になります。
感情を無視するのではなく、うまく付き合うことで、支援家としての力を最大限に発揮できるのです。



まとめ:感情を支援の力に変える

感情は厄介なものと思われがちですが、実は対人支援において強力なツールです。
感情を理解し、寄り添い、適切に扱うことで、支援家としての質を大きく高めることができます。

今日から少しずつ、感情との向き合い方を意識してみてください。その一歩が、あなた自身の成長にもつながるはずです。

 

 

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