マーク・ロスコの絵画をお目当てに、
DIC川村記念美術館へ行ってきました。
川村美術館の様子を予告でかいた記事はこちら。
東京駅からダイレクトに美術館に行けるバスが出ています。
美術館の敷地内に入るとそこには白鳥が・・・。

こちらの所蔵美術のクオリティと数はすごい。
予想をはるかにこえる規模でした。
美術館の入り口を入るとすぐにシャガールの絵
「ダヴィデ 王の夢」1966年
がかけてあります。
シャガールの絵はいきなり目に飛び込んできました。
あの色彩の力がそうさせるというのは確かにあるのですが、
無防備に入って行ったワタシに、
いきなり作家の力を投げつけてくるような、
そういうパワーでした。
こちらの美術館は
特に何時代の絵を集めてあるとか
どの画家の絵を中心にしてあるとか、
そういうものはありません。
レオナール藤田やピカソの具象絵画、
レンブラント、ジョルジュ・ブラック、ヴァントンゲルロー、
マックス・エルンスト、マグリット、ポロック等々
ありとあらゆる方向の絵が混在していたように
見えました。
日本画の間の橋本関雪の絵は

↑このサルの体毛の質感は、それはもうふわっふわに見えて
その筆力に驚嘆!
伊藤若冲のニワトリの毛並みのような緻密さではなく、
曖昧な毛の質感・空気を含んだ質感を描き切る緻密さ、とでも
言えばいいのだろうか。
若冲は同じものを描いたとしても
こうは描かなかっただろうなあ。
表現の違い、それはこの世界の切り取り方の違いです。
この作品は、中国・北魏時代に書かれた作者不明の叙事詩「木蘭詩」を題材にしています。
男装して父の代わりに従軍した木蘭。10年の戦闘ののちにほうびをと言われて、
故郷に帰ることを選びました。男装していたことを知らなかった戦友がみな驚いたという
お話です。木蘭はたおやかな身体の線と女性らしい表情で描かれています。
この作品の見どころは、
画像では分かりにくいのですが、
女性の毛髪、でした。
見えませんが、右に描かれている馬の
たてがみとしっぽの質感が触感がわかるような緻密さで、描き分けてあり、
それはもう圧巻でした。
眉職人のriccaさん はこの絵からも、その体毛の描き方を
分析されていました。その職人魂を、間近で見せていただきました


「そして、毛髪1本1本にも、
描き手のぬかりない、
100%のエネルギーが
投影されているのを
感じながら、
その絵画の
完成度があまりにも
高すぎて。」
*橋本関雪・・・・日本画家 橋本関雪(1883~1945)は、兵庫県神戸市に生まれました。東京画壇在籍後、京都に移り大正期の京都画壇において活動しました。四条派の写実的な動物の描写を取り入れた新南画、新古典と呼ばれる絵画を次々と発表し、大正・昭和期の画壇において中心的人物の一人となりました。帝国美術院会員、帝室技芸員、シュバリエドレジョン・ドヌール勲章授与 1945年没
(橋本関雪美術館HPよりお借りしました。)
橋本関雪の日本画は、
和魂漢才 と言われるだけあって、
扱う題材は中国由来のものが多いです。
白沙村荘 橋本関雪記念館 が京都にあります。
この中に美術館が9月にオープンしたそうです。
素晴しい美術館! ➡★
今度ぜひ行ってみたいと思います

さて、その次に
お目当て、
マーク・ロスコのシーグラム壁画の部屋。
きた~~~~~~


7点の壁画が収蔵された部屋、ロスコ・ルーム。
単純な構図ですが、重ね塗りによって複雑な絵肌をそなえた絵画です。
マンハッタンにあるシーグラムビルのレストランの壁を飾る
絵画としてはじめ依頼を受けました。
ですが、レストランの完成を見たロスコは、その内装・雰囲気が気に入らず
自ら契約を破棄してしまいました。
そうして行き場を失った7点をさらに進化させるためなのか、
ロスコは34枚、このシーグラム壁画シリーズを書きました。
それは 7点がこの川村美術館・日本
9点がテート・モダン イギリス
18点がワシントン・ギャラりー アメリカ にあるという説明を
学芸員の方がしてくださいました。
以前、1990年代に仕事でロンドンへ行った際、
テートギャラリーに立ち寄ったことがありましたが、
それが今は国立美術館の連合体である「テート」に再編されており、
マーク・ロスコの絵画はそのなかの「テート・モダン」に収蔵されているということを
今日初めて知りました。
ちょっとウィキペディアよりそのへんの記述を拝借しますね。
また、テート・ギャラリーはニューヨーク近代美術館、パリのポンピドゥー・センターなど、世界的な現代美術館にかなう規模ではなかったため、ロンドンに近現代美術の新しい美術館が待望されていた。1980年代以降テート・ギャラリーはリバプールとセント・アイヴスに分館を開館する一方、ナショナル・ギャラリーやヴィクトリア&アルバート美術館も含めた国立の他の美術館と、再編や役割分担について検討した。その結果、テート・ギャラリーの新館をロンドンに作り、ミルバンクの本館をイギリス美術のギャラリーに、新館を近現代美術のギャラリーにする方針が決められた。こうして2000年に新館「テート・モダン」が完成、翌2001年にミルバンクのテート・ギャラリーが「テート・ブリテン」として再開館し、現在に至っている。2000年をもって、テート・ギャラリーおよびその分館は、テートの名を冠する4つの国立美術館の連合体である「テート」へと改組された。
テートのコレクションは4つの館が共有する一体のものであり、定期的に各館でのコレクションの移動が行われている。
さて、
このロスコの絵画の印象をなんと語ればよいでしょう!
印刷物として、ネット上の画像として見ていたときは
「この、一見単調な構図の絵画にどうして700億円もの高値がつくんだろう~」
正直、それが謎でした。
世界で最高値の落札額!
それはこの絵に対してとてつもなく多くの人が
とてもつもないエネルギーを感じているということに他なりません。
そういうものを、ワタシも受け取れるのかな・・・
絵の前に立ってみないと分からない・・・・
そういう気持ちでいました。
けれど!
部屋に入った途端、
部屋全体、絵画のエネルギーが中心に向って発散されていて、
息苦しいほどの高密度な空気でした。
あの大きさの絵画の、全面からビーム光線のように
放出されている強い光、というよりは強い圧力・・・のような。
ご一緒させていただいた菊池麻子さんは
「オレンジの帯の部分が動いて見える・・・」とおっしゃっていました。
ロスコ : 「私は悲劇、忘我、運命といった人間の基本的な感情を
表現することだけに関心があります。」
「私は絵を描くということが自己表現に関わると考えたことは一度もありません。
絵とは自分以外のひとに向けたコミュニケーションにほかなりません。
このコミュニケーションの内容にナットクすると、
世界は生まれ変わります。」
美術作品のレシピ
1、死に対する明瞭な関心がなければならない
2、官能性 世界と具体的に交わる基礎となるもの。存在するものに対して欲望を
かきたてるかかわり方。
3、緊張 葛藤あるいは欲望の抑制。
4、アイロニー 現代になって加わった成分---ひとが一時、何か別のものに至るのに
必要な自己滅却と検証。
5、機知と遊びごごろ---人間的要素として
6、はかなさと偶然性---人間的要素として
7、希望、悲劇的な観念を耐えやすくするための10パーセント
絵を描くとき、わたしはこれらの成分を慎重に計測します。
フォルムはつねにこれらの成分にしたがい、絵画はこれらの成分の比率から
生じます。
ロスコは40代になってから絵を描き始めました。
小さいときに衝動的に「描きたい~描きたい~」からはじまった
のではなくて、
観念的な自分の中の計画を実現させるかたちで
描き始めたのだろうと思います。
ロスコ・ルームを存分に味わって
出てくると、
その空間は自動的に癒しの空間

ああ~ボリュームがありすぎて書ききれない。
DIC川村記念美術館ツアー②につづきます。
五木田智央さんのアートと
フランク・ステラのアートに
そこにいた全員が狂喜乱舞した件(?)について書こうと思います。











